ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは2022年12月にロシア海軍へ就役する

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年8月15日3時27分配信
【小型ロケット艦シリーズの4隻目「ブーリャ」は今年に海軍へ引き渡される】
モスクワ、8月15日-ロシア通信社ノーボスチ
造船工場『ペラ』は2022年末までにロシア海軍へプロジェクト22800「カラクルト」シリーズの4隻目である小型ロケット艦「ブーリャ」を引き渡す。
『ロシア通信社ノーボスチ』は造船所広報サービスより伝えられた。
「国家防衛発注の枠組みにおいて、当造船所はプロジェクト22800カラクルト小型ロケット艦シリーズの建造を行なっております。
現時点で工場番号257(『ペラ』が建造している同プロジェクト艦7隻から成るシリーズの4隻目)は係留試験を行なっており、工場航行試験を準備しております。
今年中には御客様へ御引き渡し致します」
『ペラ』は伝えた。
他の3隻のプロジェクト22800艦の建造は、スケジュールに沿って進められている。
プロジェクト22800「カラクルト」多目的小型ロケット艦は、中央海洋設計局『アルマーズ』により開発され、2015年から海軍の為に3ヶ所の造船所~『ペラ』、タタールスタンの『ゼレノドリスク造船工場』、ハバロフスク地方の『アムール造船工場』で建造されている。
800トンの排水量を有する「カラクルト」は、近海ゾーンで任務を遂行する為に意図されている。
同プロジェクト艦は、有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の為の8つのセルを持つ汎用艦載射撃複合体、自動砲塔AK-176MAで武装する。
これらに加え、艦の対空防衛手段には携帯高射ミサイル複合体「イグラ」と高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が含まれる。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦です。
プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)

プロジェクト12411ロケット艇(R-239)

元々は「オヴォード」や「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]
その後、「アルマーズ」設計局は「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦


プロジェクト22800小型ロケット艦の4番艦「ブーリャ」は、2016年12月24日にサンクトペテルブルクの『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]
2018年10月23日に進水しました。
[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]
「ブーリャ」は2021年末の就役が予定されていましたが、2021年中には洋上試験を開始するまでに至らず、翌年に延期されました。
[小型ロケット艦ブーリャとグラードは2021年にロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ配備される]
「ブーリャ」は2022年晩夏~初秋に洋上試験を開始し、2022年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
プロジェクト22800小型ロケット艦は、リードヤードであるサンクトペテルブルクの『ペラ』造船工場で7隻(うち3隻は船体を下請けのフェオドシヤ造船所で建造)、ロシア内陸部ゼレノドリスクの『ゴーリキー記念造船工場』で5隻(最初の3隻は下請けのケルチ造船工場ザリフで建造)、極東の『アムール造船工場』で4隻の計16隻が起工されており、この内の3隻が就役しています。
[『ペラ』造船工場建造艦]
(工場番号254、255、256は下請けのフェオドシヤ造船工場『モーリェ』で船体を建造)
「ムィティシ」«Мытищи»(工場番号251)
2015年12月24日起工/2017年7月29日進水/2018年12月17日就役
バルト艦隊へ配備
「ソヴィェツク」«Советск»(工場番号252)
2015年12月24日起工/201711月24日進水/2019年10月12日就役
バルト艦隊へ配備
「オジンツォボ」«Одинцово»(工場番号253)
2016年7月29日起工/2018年5月5日進水/2020年11月21日就役
バルト艦隊へ配備
「コゼリスク」«Козельск»(工場番号254)
2016年5月10日起工/2019年10月9日進水
「オホーツク」«Охотск»(工場番号255)
2017年3月17日起工/2019年10月29日進水
「ヴィフリ」«Вихрь»(工場番号256)
2017年12月19日起工/2019年11月13日進水
「ブーリャ」«Буря»(工場番号257)
2016年12月24日起工/2018年10月23日進水/2022年末就役予定
バルト艦隊へ配備予定
[『ゴーリキー記念造船工場』建造艦]
(工場番号801、802、803は下請けのケルチ造船工場『ザリフ』で建造)
「ツィクロン」«Циклон»(工場番号801)
2016年7月26日起工/2020年7月24日進水/2022年就役予定
黒海艦隊へ配備
「アスコリド」«Аскольд»(工場番号802)
2016年11月18日起工/2021年9月21日進水/2023年就役予定
黒海艦隊へ配備予定
「アムール」«Амур»(工場番号803)
2017年7月30日起工/2022年進水予定/2023年就役予定
黒海艦隊へ配備予定
「トゥーチャ」«Туча»(工場番号804)
2019年2月26日起工/2022年進水予定/2023年以降就役予定
「タイフーン」«Тайфун»(工場番号805)
2019年9月11日起工/2022年進水予定/2023年以降就役予定
[『アムール造船工場』建造艦]
「ルジェフ」«Ржев»(工場番号201)
2019年7月1日起工/2023年進水予定/2023年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定
「ウドムリャ」«Удомля»(工場番号202)
2019年7月1日起工/2023年進水予定/2023年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定
「パヴロフスク」«Павловск»(工場番号203)
2020年7月29日起工/2024年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定
「ウスリースク」«Уссурийск»(工場番号204)
2019年12月26日起工/2024年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定
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