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ロシア海軍の超音速対艦ミサイル「オーニクス」の製造契約は国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2022』で委託された

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『タス通信』より
2022年8月16日20時33分配信
【科学生産合同『機械製造』はミサイル「オーニクス」の製造契約書を受け取った】
モスクワ、8月16日/タス通信

ロシア連邦国防省は、軍事産業企業『科学生産合同・機械製造』ミサイル「オーニクス」の製造契約を手交した。

「統一対艦誘導有翼ミサイル複合体オーニクスの製造および供給の国家契約が手交されました」
火曜日にフォーラム『アルミヤ-2022』で行なわれた式典でアナウンサーは話した。

ロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコは、軍事産業企業体『科学生産合同・機械製造』総取締役アレクサンドル・レオーノフ国家契約書を手渡した。




【株式会社「軍事産業団体・科学生産合同『機械製造』」】

[新世代超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)]

汎用対艦有翼ミサイル「オーニクス」(輸出名「ヤーホント」)の開発は1981年6月5日に正式決定され、1982年3月10日には科学生産合同『機械製造』による予備設計案が採用されました。

潜水艦による水中発射試験を行なう為、プロジェクト670M原子力潜水艦K-452が1986年6月25日から1992年7月10日までプロジェクト06704改造を実施しました。
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K-452(1992年6月3日からB-452)は、1992年から1998年まで「オーニクス」ミサイルの発射試験に従事しました。

水上艦による水上発射試験の為にプロジェクト1234小型ロケット艦「ナカト」が改造され、1996年から発射試験が行なわれました。
[「オーニクス(ヤホント)」試験艦「ナカト」]
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「ナカト」による「オーニクス」の発射試験は、1990年代末に資金難で中断された後2000年代初頭に再開され、「オーニクス」は2002年9月23日付でロシア海軍へ軍備採用されました。
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一方、「オーニクス」搭載艦として、プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦プロジェクト22350フリゲートの建造も始まりましたが、財政難などにより工事は遅延し、就役は大幅に遅れました。
[プロジェクト885ヤーセン原子力水中巡洋艦]
[プロジェクト22350フリゲート(アドミラル・ゴルシコフ」型)]

ロシア海軍原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」は、就役前の2013年11月上旬に初めて「オーニクス」を発射しています。
[原子力潜水艦セヴェロドヴィンスクは超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射した]

「オーニクス」は、近代化改装されるプロジェクト11442重原子力ロケット巡洋艦、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦にも搭載されます。
[近代化改装される重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはロシア海軍の新世代水上艦と同じ兵装を得る]
[近代化改装される原子力水中巡洋艦イルクーツクは2023年末にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]

「オーニクス」は、対地/対艦ミサイル「カリブル」と共用の汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKから発射されます。
[汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSK]

「オーニクス」の地上発射型である「バスチオン」は、ロシア海軍の各艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)へ配備されています。


「バスチオン」は、2016年11月15日にシリア領内テロ組織を攻撃しています。
これが「オーニクス」系列ミサイルの初の実戦での使用例です。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]

2022年2月下旬に始まったロシア連邦軍『ウクライナ特殊軍事作戦』でも、何度か「バスチオン」ウクライナの地上目標へ使用されています。
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』において超音速沿岸ミサイル「バスチオン」をオデッサ州へ発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてムイコラーイウへ超音速ミサイル「オーニクス」を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてシャフタルスコエのウクライナ軍部隊本部を超音速ミサイル「バスチオン」(オーニクス)で破壊した]
[ロシア海軍黒海艦隊は『ウクライナ特殊軍事作戦』においてウクライナ軍燃料貯蔵所へ超音速ミサイル「バスチオン」(オーニクス)を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊はオデッサ近郊のウクライナ軍訓練センターへ超音速ミサイル「バスチオン」(オーニクス)を発射した]
[ロシア海軍黒海艦隊の超音速ミサイル「オーニクス」はオデッサ州のウクライナ軍地対空ミサイルを破壊した]


「オーニクス」の製造数は殆ど公表された事は有りませんが、2016年7月~9月の3ヶ月間には、巡航ミサイル「カリブル」と合わせて100基以上が製造されました。
[ロシア海軍は2016年7月-9月に100基以上の巡航ミサイル"カリブル"及び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領した]

2019年には55基が製造されました。
[ロシア海軍は2019年に55基の超音速対艦ミサイル"オーニクス"を受領する]

巡航ミサイル「カリブル」(2019年の時点で月産16基程度)よりは少ないようです。

2022年8月16日、モスクワ州クビンカ『愛国者公園』で開催されている国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2022』「オーニクス」製造契約が製造社である科学生産合同『機械製造』へ委託されました。
[国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2022』で超音速対艦ミサイル「オーニクス」の製造契約が委託される]
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「オーニクス」の改良も進められており、軍備採用から10年以上経過した2016年初頭までに科学生産合同『機械製造』はソフトウェア面での改良を行ないました。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]

科学生産合同『機械製造』は、「オーニクス」の更なる改良を計画しています。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は更に改良される]
[ロシア海軍の為の超音速打撃ミサイル"オーニクス-M"の開発は進められている]


科学生産合同『機械製造』は、ソヴィエト連邦時代には2種類の超音速対艦ミサイルを開発しています。
[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]

現在は、極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の開発を進めています。
[極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」]
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