ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート10番艦は「アドミラル・ヴィソツキー」と命名される

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年8月18日18時30分配信
【海軍総司令官はモスクワでヴィソツキー提督の記念碑を除幕した】
モスクワ、8月18日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、木曜日にモスクワでウラジーミル・ヴィソツキー提督の記念碑を除幕し、プロジェクト22350フリゲートシリーズの10隻目を彼に敬意を表して命名するように指示した。
『ロシア通信社ノーボスチ』特派員はリポートした。
ロシア連邦海軍総司令官(2007~2012年)ウラジーミル・ヴィソツキー提督は昨年2月5日に67歳で亡くなった。

記念碑の除幕はトロエクロフカ墓地で行われた。
式典には、元ロシア連邦海軍総司令官で『統合造船業営団』副総取締役のウラジーミル・コロリョーフ提督、『サロフ原子力センター』名誉科学局長ラディ・イリカエフ、元軍備担当副総司令官ニコライ・ボリソフ、未亡人ナタリヤ・ヴィソツカヤ、息子で現在ロシア連邦海軍3等海佐セルゲイ・ヴィソツキーが出席した。
「ヴィソツキー提督は困難で妥協の無い決断を下し、決して振り返らず、我々の最高司令官が言うように、決して誰にも屈しませんでした。
そして、海軍に必要であると信じれば、彼はそれに全力を注ぎました。
残念な事に、これが我々からの早い最後の航海への出発の理由でした」
エフメノフは話した。
彼によると、提督クラブとメンバーの支持を受けた艦隊軍事評議会の決定により、艦の1隻はヴィソツキーに敬意を表して命名される。
「指示は既に実行されています」
「アドミラル・ヴィソツキーは今後も海上で出航し、与えられた全ての任務を遂行します」
総司令官は約束した。
彼は『ロシア通信社ノーボスチ』へ、その艦はプロジェクト22350フリゲートシリーズの10隻目になると伝えた。
「これはアドミラルシリーズの続きになります」
元ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ提督は、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、各々の総司令官には各々の期間が与えられている事を哲学的に指摘した。
「ヴィソツキー提督の運命は、遠海ゾーン艦:22350フリゲートと20380コルベットのトップ艦の建造開始であり、シリーズは既に艦隊の戦闘編制に在ります」
「これは非常に重要であり、このような困難な時期に総司令官ヴィソツキーは、科学で形成された高度なアイデアへ産業界の努力を集中させました。
それは実行を開始する必要が有り、彼はそれを行ないました」
コロリョーフは話した。
彼は更に、ヴィソツキー提督がロシアの大型揚陸艦の作成の起点に立っていた事を想い起こした。
「彼は、このアイデアを推し進めました。
彼のアイデアは、大型揚陸艦を指揮艦や司令部艦として使用する事でした」
コロリョーフは話した。
2020年、ケルチ造船工場『ザリフ』で最初の2隻のプロジェクト23900ヘリコプター母艦(汎用揚陸艦)が起工された。
次にニコライ・ボリソフ中将は、ヴィソツキーの下で「遠海ゾーン艦シリーズの建造が始まり、今日においては艦隊の主要打撃力となっている」事を『ロシア通信社ノーボスチ』に思い起こさせた。

1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』で8隻が起工されており、この内2隻がロシア海軍へ引き渡され、もう1隻が艤装中です。
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Горшков»(工場番号921)
2006年2月1日起工/2010年10月29日進水/2018年7月28日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号454)
「アドミラル・フロータ・カサトノフ」«Адмирал флота Касатонов»(工場番号922)
2009年11月26日起工/2014年12月12日進水/2020年7月21日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号461)
「アドミラル・ゴロフコ」«Адмирал Головко»(工場番号923)
2012年2月1日起工/2020年5月22日進水/2022年末就役予定
北方艦隊へ配備予定
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Исаков»(工場番号924)
2013年11月14日起工/2023年就役予定
「アドミラル・アメリコ」«Адмирал Амелько»(工場番号925)
2019年4月23日起工/2024年就役予定
「アドミラル・チチャーゴフ」«Адмирал Чичагов»(工場番号926)
2019年4月23日起工/2025年就役予定
「アドミラル・ユマシェフ」«Адмирал Юмашев»(工場番号927)
2020年7月20日起工/2025年就役予定
「アドミラル・スピリドノフ」«Адмирал Спиридонов»(工場番号928)
2020年7月20日起工/2026年就役予定
未だ具体的な起工時期は決まっていませんが、プロジェクト22350フリゲートの10番艦は、2021年2月5日に死去した元ロシア海軍総司令官(2007年9月~2012年5月)ウラジーミル・ヴィソツキー提督の名前を取り、「アドミラル・ヴィソツキー」と命名される事になりました。

[元ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー提督は亡くなった]
ヴィソツキー提督の名前が22350フリゲートの10番艦に付けられるという事は、既に9番艦の艦名も決まっている筈ですが、こちらに関しては明らかにされていません。
可能性として考えられるのは、ヴィソツキー提督と同じ年の1月23日に死去した元ロシア海軍総司令官(1992年8月~1997年11月)フェリックス・グロモフ上級大将でしょうか。
(この場合は「アドミラル・フロータ・グロモフ」となる)
[元ロシア海軍総司令官フェリックス・グロモフ提督は亡くなった]
- 関連記事
-
- アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコの最初の洋上試験が始まる
- ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2隻(9番艦と10番艦)は2022年に起工される
- ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート10番艦は「アドミラル・ヴィソツキー」と命名される
- ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新フリゲート「アドミラル・アメリコ」と「アドミラル・チチャーゴフ」は2024年と2025年に就役する
- アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2022年12月末にロシア海軍へ就役する
スポンサーサイト