クリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)に駐留するロシア海軍太平洋艦隊の地対艦ミサイル「バスチオン」部隊は戦略演習『ヴォストーク-2022』で超音速対艦ミサイルを発射した
『ズヴェズダーテレビ動画ニュース』より
2022年9月6日9時17分配信
【太平洋艦隊の「バスチオン」は初めてマトゥア島から海上目標へのミサイル射撃を実施した】
戦略指揮参謀演習『ヴォストーク-2022』の最中に、マトゥア島で24時間体制の戦闘当直へ就いている太平洋艦隊の沿岸ミサイル複合体「バスチオン」の要員は、初めて海上目標へのミサイル射撃を実施した。
ロシア国防省は発表した。

演習計画の下で「敵」艦は、クリル群島の島の1つへ揚陸部隊を上陸させる為、ロシア連邦領海への侵入を試みた。
「敵」は電波技術手段により適時に探知され、その航路を追跡した。
仮想敵艦が攻撃距離へ入った時、沿岸ミサイル複合体「バスチオン」の要員は対艦ミサイル「オーニクス」を発射した。
以前、太平洋艦隊のコルベット「グレミャーシチー」は、戦略指揮参謀演習『ヴォストーク-2022』の最中に、オホーツク海に在る仮想敵海上目標へ有翼ミサイル「カリブル」を発射した。
300キロメートル以上離れた目標は成功裏に撃破された。
ロシア連邦軍東方軍管区の戦略指揮参謀演習『ヴォストーク-2022』は、2022年9月1日から7日まで極東で実施され、太平洋艦隊と中国海軍も参加します。
[ロシア海軍太平洋艦隊と中国海軍は2022年9月1日~7日に極東で実施されるロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加する]
[2022年9月1日~7日に実施されるロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2022』においてロシア海軍太平洋艦隊と中国海軍の艦船は日本海北部と中部で行動する]
『ヴォストーク-2022』へ参加する中国海軍の艦は、8月29日に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年8月30日発表
【中国海軍艦艇の動向について】
中国海軍の参加艦は、この3隻です。
055型駆逐艦「南昌」

054A型フリゲート「塩城」

903型総合補給艦「東平湖」

ロシア太平洋艦隊からは、以下の艦を含む50隻以上が参加します。
指揮艦「マルシャル・クルイロフ」(331)
フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」(543)
コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(333)、「グロームキー」(335)、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」(339)、「グレミャーシチー」(337)
大型揚陸艦「オスリャービャ」(066)、「ペレスヴェート」(077)、「ニコライ・ヴィルコフ」(081)
小型対潜艦「ソヴィエツカヤ・ガヴァニ」(350)、「コレーエツ」(390)、他4隻
基地掃海艦BT-100(565)、BT-215(593)、BT-325(586)
ロケット艇R-11(940)、R-14(924)、R-18(937)、R-19(978)、R-20(921)、R-24(946)
プロジェクト949A原子力水中巡洋艦
プロジェクト877/06363ディーゼル潜水艦
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊と中国海軍の艦船は日本海とオホーツク海へ展開する]
9月2日、ウラジオストクを出航したロシア太平洋艦隊艦船部隊は、中国海軍艦船部隊と日本海北部で合流しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加するロシア海軍太平洋艦隊と中国海軍の艦船は日本海北部で合流した]
9月2日午後、ロシア太平洋艦隊艦船部隊の小型対潜艦2隻、ロケット艇4隻、基地掃海艦2隻は日本海で対空ミサイル及び砲の実弾射撃を行ないました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦2隻、ロケット艇4隻、掃海艦2隻は日本海で対空目標への実弾射撃訓練を実施した]
同日、太平洋艦隊海上航空隊の対潜哨戒機Il-38N×2機とIl-38×2機(沿海地方のニコラエフカ飛行場に駐留)は日本海で機雷敷設訓練を行ないました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍太平洋艦隊の対潜哨戒機Il-38NとIl-38は日本海で機雷敷設訓練を実施した]
同日、日本海北部で合流したロシア太平洋艦隊艦船部隊と中国海軍艦船部隊は対潜戦闘訓練を行ないました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍と中国海軍の合同艦船部隊は日本海北部で対潜戦闘訓練を実施した]
指揮艦「マルシャル・クルイロフ」とコルベット「グレミャーシチー」は9月2日に宗谷海峡を東進してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年9月3日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
翌9月3日、ロシア太平洋艦隊艦船部隊と中国海軍艦船部隊は日本海北部で対水上砲撃訓練を行ないました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍と中国海軍の合同艦船部隊は日本海北部で砲撃戦訓練を実施した]
同日、オホーツク海に展開する4隻の小型対潜艦は、遠距離対潜哨戒機Tu-142M3(カーメニ・ルチェイ飛行場に駐留)と共に対潜戦闘訓練を行ないました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦4隻はオホーツク海で対潜戦闘訓練を実施した]
9月4日、ロシア太平洋艦隊艦船部隊と中国海軍艦船部隊は日本海中央部で対潜戦闘訓練を行ないました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍と中国海軍の合同艦船部隊は日本海中央部で対潜戦闘訓練を実施した]
同日、ロシア太平洋艦隊のロケット艇4隻(R-11、R-14、R-18、R-19)は日本海で超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇4隻は超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射した]
コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」と中国海軍の3隻は9月4日に宗谷海峡を東進してオホーツク海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年9月4日発表
【ロシア及び中国海軍艦艇の動向について】
9月4日、3機の遠距離対潜哨戒機Tu-142M3(ハバロフスク地方のカーメニ・ルチェイ飛行場に駐留)は非武装支援船に偽装して巡航ミサイルを搭載した敵艦を攻撃するという想定で対艦爆撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は演習『ヴォストーク-2022』で擬装船への爆撃訓練を実施した]
9月5日、オホーツク海へ入ったロシア太平洋艦隊艦船部隊と中国海軍艦船部隊は対空戦闘訓練と機雷掃射訓練を行ないました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍と中国海軍の合同艦船部隊はオホーツク海で対空戦闘訓練と機雷掃射訓練を実施した]
一方、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は日本海(ピョートル大帝湾)で対潜戦闘訓練、機雷掃討訓練、対艦砲撃訓練、対空戦闘訓練、対水中破壊工作防衛訓練を行ないました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」はピョートル大帝湾で実弾射撃訓練を実施した]
9月6日、オホーツク海に居るコルベット「グレミャーシチー」は、距離300キロメートル以上の海上標的船へ巡航ミサイル「カリブル」(対艦型3M54)を発射しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加しているロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グレミャーシチー」はオホーツク海で巡航ミサイル「カリブル」を発射した]
ミサイルは目標までの飛行経路で「自然の障害物を迂回した」との事ですから、おそらくは千島列島の島の何れかを間に挟んで発射し、ミサイルは島の上空を低高度で飛行して(この時に山などを迂回した)目標へ命中したのでしょう。

(戦略演習『ヴォストーク-2022』は国後島と択捉島でも実施されている)
同日、千島列島中部の松輪島に駐留する太平洋艦隊の地対艦ミサイル「バスチオン」部隊(2021年12月初頭に配備)は超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射しました。
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