カラクルト級小型ロケット艦ツィクロンは2022年末にロシア海軍へ正式に就役する

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年9月15日3時36分配信
【海上版「パーンツィリ」を持つ最初の艦は2022年にロシア海軍へ引き渡される】
モスクワ、9月15日-ロシア通信社ノーボスチ
「ツィクロン」と命名された海上ヴァージョンの高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」で武装する最初のプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は2022年末までにロシア海軍へ引き渡される。
『ロシア通信社ノーボスチ』は造船営団『アク・バルス』総取締役レナート・ミスタホフより伝えられた。

以前、プロジェクト22800の標準艦は高射砲装置AK-630型で武装していた。
「私共は、ブトマ記念工場とゴーリキー記念工場(『アク・バルス』へ加入)でのプロジェクト22800艦の建造の継続を望んでおります。
パーンツィリを持つ更なるシリーズを望んでおります。
今年、私共は最初の艦ツィクロンを御引き渡しいたします」
ミスタホフは話した。
彼は、ゼレノドリスク工場がミサイル「ウラン」で武装する最初の艦~プロジェクト11661コルベット「タタールスタン」を建造した事を想い起こした。
同プロジェクトの2番艦「ダゲスタン」には、初めてミサイル複合体「カリブル」が供給された。
「今、ロシア連邦海軍には、高射ミサイル-機関砲複合体パーンツィリ-Mを持つ最初の艦が登場します」
『アク・バルス』総取締役は話した。
営団は合計で5隻のプロジェクト22800艦を建造する発注を履行しなければならない。
「ツィクロン」は(通算で)22800シリーズの4隻目となる。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦であり、ロシア国内の複数の造船所で建造されています。
(サンクトペテルブルクの『ペラ』造船所で4隻、クリミア半島のフェオドシヤ造船所で3隻、ケルチの『ザリフ』造船所で3隻、ゼレノドリスク造船所で2隻、コムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』で4隻)

造船営団『アク・バルス』系列の造船所(『ザリフ』造船所とゼレノドリスク造船所)で建造される最初のプロジェクト22800小型ロケット艦となる「ツィクロン」(22800全体では通算4隻目)は、クリミア半島のケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で2016年7月26日に起工されました。
2020年3月末までに黒海艦隊で乗組員が編成されました。
[ロシア海軍黒海艦隊はブヤン-M級小型ロケット艦グライヴォロンとカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンの乗組員を編成した]
「ツィクロン」は2020年7月24日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンはケルチで進水した]
進水後は造船所の岸壁で艤装が進められました。

その後、ノヴォロシースク海軍基地へ回航され、各種試験が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新小型ロケット艦ツィクロンは洋上試験の準備を完了した]
12月上旬には本格的な洋上試験の為、セヴァストーポリへ回航されました。

[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ツィクロンは最終洋上試験の為にセヴァストーポリへ移動した]
その後、本格的な洋上試験が始まり、12月20日には砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ツィクロンは黒海で砲撃試験を行なった]
2022年1月14日までに洋上試験の第1段階(工場航行試験)が完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ツィクロンは2022年1月後半から最終洋上試験を開始する]
1月27日から最終洋上試験となる国家試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭小型ロケット艦ツィクロンは最終洋上試験を開始した]
国家試験は2月末までに完了したようです。
3月17日、「ツィクロン」はセヴァストーポリから出航しました。


翌3月19日にはケルチ海峡を通過してアゾフ海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ツィクロンはアゾフ海へ入った]
その後も「ツィクロン」はロシア海軍への正式な就役式典(聖アンドレイ旗初掲揚式典)が開催されないまま、事実上黒海艦隊の一員として行動しているようです。

「ツィクロン」の正式な就役式典は、2022年末までに開催されるようです。
なお、今回、造船営団『アク・バルス』総取締役レナート・ミスタホフ氏は、「ツィクロン」が高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」を装備する最初の艦になると言っていますが、正確には、『アク・バルス』が建造する艦で「パーンツィリ-M」を装備する最初の艦です。
他の造船所で建造された艦を含めれば、2020年11月21日に就役した22800小型ロケット艦「オジンツォボ」が最初の「パーンツィリ-M」装備艦になります。
[カラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボはロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ編入された]
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