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ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクとオムスクはチュクチ海で超音速対艦ミサイル「オーニクス」とグラニートを発射した


『インテルファクス軍事ニュース出張所』より
2022年9月16日11時9分配信
【2隻の原子力潜水艦は演習の枠組みでチュクチ海からの有翼ミサイル発射を実施した-ロシア連邦国防省】
モスクワ、9月16日、インテルファクス

原子力潜水艦沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、北極で海上目標への有翼ミサイル「グラニート」「オーニクス」の発射を実施した。
ロシア連邦国防省は発表した。
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「複合北極探検『ウムカ-2022』の最中、水中位置に居る太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスクとノヴォシビルスクは、チュクチ海エリアから対艦有翼ミサイル グラニートとオーニクスの発射を実施しました」
ロシア連邦国防省
は伝えた。

「ミサイルは距離400キロメートルを超える仮想敵戦闘艦支隊を模した複雑な海上標的へ指定時間に命中しました」
当局は話した。

ミサイル射撃を実施する為、原子力水中巡洋艦「ノヴォシビルスク」は氷の下を通行し、北方海上航路エリアの何処かの指定海域へ浮上し、ミサイル兵器を使用した事が指摘された。

「原子力水中巡洋艦と共に、沿岸ミサイル複合体バスチオンは高緯度の条件下のチュクチ半島沿岸から有翼ミサイル オーニクスの射撃を実行しました。
ミサイルは300キロメートル離れた海上目標へ命中しました」

軍は伝えた。

ロシア連邦国防省によると、太平洋艦隊部隊の行動は、指揮艦「マルシャル・クルイロフ」艦上から海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将が指揮した。

声明によると、北極圏東部で複合北極探検『ウムカ-2022』が行なわれている。

「ロシアの北極圏を軍事的方法で防護する能力と準備態勢を点検する目的で、探検中に艦部隊、海上航空隊、沿岸部隊の研究演習が行なわれます。
実際の北極条件下で軍事技術実験が行なわれ、業界の企業の主導により製造された現用及び将来の兵器、軍用装備及び特殊装備の能力と特性が点検されます」

軍は伝えた。



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ロシア海軍第4世代多目的原子力潜水艦プロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦 シリーズの3番艦K-573「ノヴォシビルスク」(改良型プロジェクト885M「ヤーセン-M」としては2隻目)は、2013年7月26日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』造船所で起工され、2019年12月25日に進水し、2021年12月21日にセヴェロドヴィンスク聖アンドレイ旗掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ正式に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグと原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]

就役後は白海バレンツ海で慣熟訓練を行ない、2022年8月に北極海経由でカムチャツカ半島太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへの移動を開始しました。

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プロジェクト949A「アンテイ」原子力水中巡洋艦の9番艦K-186「オムスク」(1993年12月15日就役)は、最近では2022年4月上旬から3ヶ月間太平洋北極海で行動しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦オムスク、トムスク、原子力巡洋潜水艦クズバスは太平洋で3ヶ月間行動した後にカムチャツカ半島のヴィリュチンスク基地へ帰投した]
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦は2022年春~初夏に北極海で演習を行なった]

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プロジェクト1914複合測定艦の2番艦「マルシャル・クルイロフ」(1990年2月23日就役)は、2022年9月1日~7日にロシア極東で実施された戦略演習『ヴォストーク-2022』へ参加し、太平洋艦隊及び中国海軍の艦と共にオホーツク海へ進出しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2022』(2022年9月上旬)]
その後、チュクチ海へ入りました。


2022年9月16日、「ノヴォシビルスク」「オムスク」チュクチ海対艦巡航ミサイル「オーニクス」「グラニート」を発射しました。

2隻の原子力水中巡洋艦に加え、チュクチ半島沿岸から地対艦ミサイル「バスチオン」(「オーニクス」の陸上発射型)も発射されました。
チュクチ半島太平洋艦隊「バスチオン」部隊は常駐していないので、おそらくは『ヴォストーク-2022』へ参加した大型揚陸艦が運んだのでしょう。

チュクチ半島からの「バスチオン」の発射は、2019年9月下旬にも行なわれています。
この時も大型揚陸艦が輸送しました。


演習の総指揮は、「マルシャル・クルイロフ」に座乗するロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ提督が執りました。
(この他、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将と太平洋艦隊副司令官デニス・ベレゾフスキー中将も「マルシャル・クルイロフ」に座乗)

ロシア国防省発表では触れられていませんが、おそらくミサイルの目標指示には海上レーダー偵察監視衛星「ピオン-NKS」(コスモス-2550号)が使用されたでしょう。
[ロシア海軍のグローバル海上偵察衛星ピオン-NKSは運用を開始した]
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