遠洋実習航海を行なっているロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイはウラジオストクを去り、北極海経由でクロンシュタットへ行く
- カテゴリ:ロシア海軍バルト艦隊(2020年-)
『Korabel.Ru』より
2022年9月21日10時51分配信
【「スモーリヌイ」はウラジオストクからクロンシュタットへ進路を取った】
練習艦「スモーリヌイ」はS.O.マカロフ記念太平洋海軍高等学校とナヒーモフ海軍学校分校の生徒を艦上に乗せ、ウラジオストクから遠洋航海へ向かった。
『ロシア新聞』は東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長イリヤ・コレスニコフ3等海佐より伝えられた。
「スモーリヌイ」は数日前にウラジオストクへ到着した。
その艦上には航海士実習を行なったサンクトペテルブルク海軍研究所の生徒が乗っていた。
艦は北極横断を行ない、北方海上航路を15000海里以上進んだ。
「スモーリヌイ」はバルチースク、セヴェロモルスク、ソロヴェツキー諸島、エムマ湾、ペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ寄港した。
物資の補充と短い休養の後、ウラジオストクから「スモーリヌイ」は復路へと向かう。
移動の際の授業中、太平洋海軍高等学校の教官は必要な数の訓練時間を生徒と過ごす。
将来の専門家は、艦の乗組員の士官と共に当直へ就く。

「スモーリヌイ」は北極移動の第3段階の枠組みで再び北方海上航路を通行し、カムチャツカ、チュクチ、タイミルの港を訪れ、セヴェロモルスク、アルハンゲリスク、ソロヴェツキー諸島へ寄港し、クロンシュタットで航海を終える。

プロジェクト887練習艦の1番艦「スモーリヌイ」は、ポーランドのシュチェチン造船所で1974年4月23日に起工され、1976年1月8日に進水し、1976年6月30日にソヴィエト連邦海軍へ就役しました。
現在はバルト艦隊に所属し、クロンシュタット港に駐留しています。
2010年秋からブルガリアのヴァルナの艦船修理工場で大規模なオーバーホールを行ない、完了後、2013年8月30日にクロンシュタットへ戻りました。
(ソヴィエト連邦時代のブルガリアの債務返還の一環として)
2014年6月にはロシアがフランスへ発注し、サンナゼール造船所で艤装中の「ミストラル」級ヘリコプター母艦の乗組員400名を乗せてサンナゼールへ向かいました。

[ロシア海軍向けミストラル級の乗員400名はフランスへ到着した]
しかし、フランスがロシアへの「ミストラル」級売却をキャンセルした為(支払った代金はロシアへ返金)、2014年12月末にクロンシュタットへ戻りました。
[ヘリ空母ミストラル級乗員のロシア海軍将兵はクロンシュタットへ到着した]
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の乗員団は解散した]
2015年7月から士官候補生の練習航海を開始し、アンゴラ共和国のルアンダ、赤道ギニアのマラボ、スペインのラス・パルマス・デ・グラン・カナリアへ寄港しました。
2016年7月1日から10月3日まで士官候補生の練習航海を行ない、マルタ島のヴァレッタ、黒海艦隊基地セヴァストーポリへ寄港しました。
2019年にはクロンシュタット海洋工場でオーバーホールが行なわれました。

2020年7月7日から10月末まで士官候補生の練習航海を行ない、北方艦隊基地セヴェロモルスク、アルハンゲリスク、黒海艦隊基地セヴァストーポリへ寄港しました。
アルハンゲリスクへ寄港した「スモーリヌイ」(2020年7月24日入港、7月28日出港)
2021年6月29日から10月31日まで士官候補生の練習航海を行ない、セヴェロモルスクとセヴァストーポリへ寄港しました。

2022年7月1日、「スモーリヌイ」は士官候補生の練習航海の為、クロンシュタットから出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイは練習航海へ出発した]
その後、カリーニングラード州のバルチースクへ寄港し、7月5日に同港から出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイはバルチースクを出航し、セヴェロモルスクへ向かった]
7月11日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。


[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
その後、7月下旬に一旦クロンシュタットへ戻り、8月1日に再び出航、8月11日にセヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイは北極海を通過して極東へ行く]
セヴェロモルスクへ数日間滞在した後に出航し、北極海(北方海上航路)を通過して9月11日にカムチャツカ半島のロシア太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスク(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイは北極海を通過してカムチャツカの原潜基地ヴィリュチンスクへ到着した]
その後にペトロパヴロフスク・カムチャツキーを出航し、9月15日にウラジオストクへ到着しました。
[遠洋実習航海を行なっているロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイはウラジオストクへ到着した]
太平洋海軍高等学校の生徒を乗せた「スモーリヌイ」は、9月21日にウラジオストクを出航しました。
今後、「スモーリヌイ」は同じルート(北極海)を通過して母港クロンシュタットへの帰路に就きます。
北極海を通過する実習航海は、以前に同型艦「ペレコプ」が2度実行しています。
[練習艦ペレコプ遠洋実習航海(2018年3月-11月)]
[2019年度の練習艦ペレコプ遠洋実習航海(2019年7月-12月)]
- 関連記事
-
- ロシア海軍バルト艦隊の小型ロケット艦とロケット艇はバルト海で演習を実施した
- ロシア海軍バルト艦隊の15隻以上の艦船はバルト海で演習を開始した
- 遠洋実習航海を行なっているロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイはウラジオストクを去り、北極海経由でクロンシュタットへ行く
- ロシア海軍バルト艦隊の最新小型ロケット艦はロシア内陸水路経由でバルト海と白海を行き来する
- 遠洋実習航海を行なっているロシア海軍バルト艦隊の練習艦スモーリヌイはウラジオストクへ到着した
スポンサーサイト