ロシア海軍黒海艦隊の対破壊工作艇カデートはシリアのタルトゥース沖で遭難したレバノン難民22名を救助した
- カテゴリ:地中海情勢(2022年-)
『タス通信』より
2022年9月23日17時53分配信
【ロシア連邦の軍事船員は地中海で遭難したボートの乗客を救助した】
モスクワ、9月23日/タス通信
ロシア軍事船員は、シリア軍人と共にシリアのタルトゥース市沖の地中海で遭難したレバノンからの不法移民を乗せたボートから20名以上の乗客を救助した。
金曜日にロシア連邦国防省は発表した。
「シリア・アラブ共和国のロシア軍司令部は、シリア海軍の捜索救助活動の援助を決定しました。
対破壊工作艇カデートの乗組員は、嵐の中でレバノン市民を救助し、ロシア軍事船員とシリアの同僚の整然とした行動のお陰で22名の救助に成功しました」
軍当局は声明で述べた。
ロシアの軍医は救助されたレバノン市民へ最初の医療措置を施し、犠牲者をシリアの医師へ引き渡した。
全ての犠牲者はタルトゥース市の病院へ運ばれた。
「捜索救助活動は続けられています」
ロシア連邦国防省は指摘した。
救出されたレバノン人イブラヒム・シュクリ・マンスールは、ロシア船員が現れたとき、彼は既に人生への別れを告げていたと話した。
「私はレバノンからの難民で、パレスチナ出身です」
彼は話した。
「私共はボートでヨーロッパへ向かっておりましたが、嵐に遭遇しました。
船は遭難し、私は海へ落ちました。
率直に申し上げますと、私は既に人生に別れを告げておりました。
波は1メートル以上ありました。
ロシアの船員は天使のように現れ、私を水面から引き上げてくれました。
私はロシア船員へとても感謝しております。
有難う、私の命を救ってくれて」
シリアのロシア軍グループの軍人であるヴィタリー上級准尉によると、援助が到着した時、レバノン人は殆ど疲れ果てていた。
「海の気象条件は風力4でした。
艦はその能力を最大限に発揮し、2隻のボートも我々と共に作業しました。
我々は割り当てられた任務へ対処し、生存者を発見し、最も重要なのは沿岸へ送り届けた事です。
誰もが疲れ果てて何も話せませんでした。
彼らはサーチライトの光を見つけ、ロープにより手動で持ち上げ、救命胴衣を付けました」
船員は指摘した。
遭難したボートに居た民間人の捜索には、対破壊工作艇「カデート」、哨戒艇「ラプトル」型、ロシア航空宇宙軍の航空軍団のヘリコプターが参加した。

プロジェクト21980「グラチョノク」対破壊工作艇の2番艇P-191は、ロシア内陸部のゼレノドリスク市の『A.M.ゴーリキー記念工場』で2010年5月7日に起工され、2011年7月に進水し、2012年9月3日に就役し、黒海艦隊へ編入され、ノヴォロシースク海軍基地へ配備されました。
2015年2月16日付で「カデート」と命名されました。
2020年5月24日にボスポラス海峡を南下し、初めて地中海へ派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ヴィツェ・アドミラル・ザハリン、対破壊工作艇カデート、救助曳船SB-36は地中海東部へ向かった]
7月9日にボスポラス海峡を北上して黒海へ戻りました。
2021年11月7日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
(外洋航行能力は無いので海洋曳船MB-304が曳航)

以後、現在まで地中海に滞在し、主にシリアのタルトゥース港(ロシア海軍の補給基地が在る)の警備任務に就いています。

2022年9月23日、タルトゥース沖でレバノン難民を乗せた船が遭難し、「カデート」が現場へ向かい、22名を救助しました。
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