ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフとアナトーリー・シレモフは北極海経由でカムチャツカ半島へ向かっている
『MASHNEWS』より
2022年10月18日17時49分配信
【太平洋艦隊は黒海艦隊に続いて3隻の新たな掃海艦を受け取る】
ロシア海軍の連合部隊は新たなプロジェクト12700「アレクサンドル・オブホフ」型対機雷防衛艦が補充され続けている。
このタイプの2隻の海洋掃海艦は9月と10月に北方海上航路を通過して基地へ向かった。
これらのぺヴェクの通行は写真家ユーリー・カパショフにより記録された。


第6及び第7の「アレクサンドリト」、「ピョートル・イリイチョーフ」と「アナトーリー・シレモフ」は、10月7日と9月10日にペヴェクを通過した。


駐留所へ到着すれば、これらは既に太平洋艦隊の一員として勤務に就いている「ヤーコフ・バリャーエフ」と合流する。
このように、太平洋艦隊は黒海艦隊に続いて十分に現代的な3隻の掃海艦を受け取る。
(今年)2月、黒海艦隊の連合部隊へ現代的な対機雷防衛艦が完全に補充された。
黒海艦隊の一員として「イワン・アントノフ」、「ウラジーミル・イェメリヤノフ」、「ゲオルギー・クルバトフ」が勤務している。
今後、このタイプの艦の北方艦隊への装備が計画されている。
プロジェクト12700(コード名「アレクサンドリト」)対機雷防衛艦(海洋掃海艦)は『中部ネヴァ川造船工場』でシリーズが建造されている。
海軍における新たな掃海艦の需要は1年に2~3隻であり、合計で艦隊は30~40隻を受け取る予定である。
[『MASHNEWS』参照]
複合材料の「アレクサンドリト」は中央海洋設計局『アルマーズ』で設計され、主任設計者はアレクサンドル・カリーニンである。
当初は基地掃海艦として分類されていたが、その後、海洋掃海艦に再分類された。
これらは新世代対機雷艦を代表する。
掃海艦の任務は、海軍基地エリア及び海域で機雷を探し、破壊する事に在る。
艦には、艦上と、遠隔操作・自動水中装置へ配置される水中音響ステーション(ソナー)が装備されている。
掃海艦は更に、伝統的な掃海兵装を使用できる。
「アレクサンドリト」は、無人艇~当初はフランス製の無人艇インスペクトル、その後はロシア製~を含む一連のロボット装置を装備する。

ロシア海軍の新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型の繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。


従来のソ連/ロシア海軍の掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦と海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)

プロジェクト12700の6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で2018年7月25日に起工されました。


[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]
その乗組員団は、カムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊の北東軍集団の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフの乗組員が編成された]
「ピョートル・イリイチョーフ」は、2021年1月22日に屋内造船台から出渠しました。

一方、サンクトペテルブルクの海軍総合研修センターでの訓練を終えた「ピョートル・イリイチョーフ」の乗組員は、同型艦「ヤーコフ・バリャーエフ」(2020年12月26日就役)で訓練を行なう為、2021年3月12日にウラジオストクへ到着しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフ乗組員は同型艦ヤーコフ・バリャーエフで訓練を行なう]
「ピョートル・イリイチョーフ」は、2021年4月28日に進水しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフは進水した]
進水後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2021年12月1日からフィンランド湾で洋上試験(工場航行試験)を開始しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフはフィンランド湾で洋上試験を開始した]
その後もフィンランド湾やバルト海で洋上試験が続けられていましたが、2022年7月初頭までには一通り完了し、2022年7月11日にサンクトペテルブルクを出航し、配備先であるカムチャツカ半島のペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ向かいました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフは北極海経由でペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ行く]
「ピョートル・イリイチョーフ」はロシア内陸水路経由で白海へ回航され、北極海へ向かいました。


プロジェクト12700の7番艦「アナトーリー・シレモフ」は、2019年7月12日に起工されました。

[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]
2020年11月初頭までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成はほぼ完了し、11月2日には型枠からの抜き取りが終わりました。
[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフの船体が形成された]
2021年11月26日に進水しました。
[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはサンクトペテルブルクで進水した]
その後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2022年7月末に極東への移動を開始し、ロシア内陸水路経由で白海へ回航され、7月31日にはアルハンゲリスク港へ寄港しました。

2隻の掃海艦は北極海(北方海上航路)を横断し、「アナトーリー・シレモフ」(651)は9月10日、「ピョートル・イリイチョーフ」(543)は10月7日にチュクチ自治管区のぺヴェクへ寄港しました。
今後、2隻の掃海艦はカムチャツカ半島のペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ向かいます。
プロジェクト12700対機雷防衛艦は現在までに10隻が起工され、5隻が就役しています。
アレクサンドル・オブホフАлександр Обухов(工場番号521)
2011年9月22日起工/2014年6月27日進水/2016年12月9日就役
バルト艦隊へ配備(507)
ゲオルギー・クルバトフГеоргий Курбатов(工場番号522)
2015年4月24日起工/2020年9月30日進水/2021年8月20日就役
黒海艦隊へ配備(464)
イワン・アントノフИван Антонов(工場番号523)
2017年1月25日起工/2018年4月25日進水/2019年1月26日就役
黒海艦隊へ配備(460)
ウラジーミル・イェメリヤノフВладимир Емельянов(工場番号524)
2017年4月20日起工/2019年5月30日進水/2019年12月28日就役
黒海艦隊へ配備(466)
ヤーコフ・バリャーエフЯков Баляев(工場番号525)
2017年12月26日起工/2020年1月29日進水/2020年12月26日就役
太平洋艦隊へ配備(616)
ピョートル・イリイチョーフПётр Ильичев(工場番号526)
2018年7月25日起工/2021年4月28日進水/2022年末就役予定
太平洋艦隊へ配備予定(543)
アナトーリー・シレモフАнатолий Шлемов(工場番号527)
2019年7月12日起工/2021年11月26日進水
太平洋艦隊へ配備予定(651)
レフ・チェルナヴィンЛев Чернавин(工場番号528)
2020年7月24日起工
太平洋艦隊へ配備予定
アファナシー・イワンニコフАфанасий Иванников(工場番号529)
2021年9月9日起工
北方艦隊へ配備予定
ポリャールヌイПолярный(工場番号530)
2022年6月12日起工
北方艦隊へ配備予定
現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
2022年10月18日17時49分配信
【太平洋艦隊は黒海艦隊に続いて3隻の新たな掃海艦を受け取る】
ロシア海軍の連合部隊は新たなプロジェクト12700「アレクサンドル・オブホフ」型対機雷防衛艦が補充され続けている。
このタイプの2隻の海洋掃海艦は9月と10月に北方海上航路を通過して基地へ向かった。
これらのぺヴェクの通行は写真家ユーリー・カパショフにより記録された。


第6及び第7の「アレクサンドリト」、「ピョートル・イリイチョーフ」と「アナトーリー・シレモフ」は、10月7日と9月10日にペヴェクを通過した。


駐留所へ到着すれば、これらは既に太平洋艦隊の一員として勤務に就いている「ヤーコフ・バリャーエフ」と合流する。
このように、太平洋艦隊は黒海艦隊に続いて十分に現代的な3隻の掃海艦を受け取る。
(今年)2月、黒海艦隊の連合部隊へ現代的な対機雷防衛艦が完全に補充された。
黒海艦隊の一員として「イワン・アントノフ」、「ウラジーミル・イェメリヤノフ」、「ゲオルギー・クルバトフ」が勤務している。
今後、このタイプの艦の北方艦隊への装備が計画されている。
プロジェクト12700(コード名「アレクサンドリト」)対機雷防衛艦(海洋掃海艦)は『中部ネヴァ川造船工場』でシリーズが建造されている。
海軍における新たな掃海艦の需要は1年に2~3隻であり、合計で艦隊は30~40隻を受け取る予定である。
[『MASHNEWS』参照]
複合材料の「アレクサンドリト」は中央海洋設計局『アルマーズ』で設計され、主任設計者はアレクサンドル・カリーニンである。
当初は基地掃海艦として分類されていたが、その後、海洋掃海艦に再分類された。
これらは新世代対機雷艦を代表する。
掃海艦の任務は、海軍基地エリア及び海域で機雷を探し、破壊する事に在る。
艦には、艦上と、遠隔操作・自動水中装置へ配置される水中音響ステーション(ソナー)が装備されている。
掃海艦は更に、伝統的な掃海兵装を使用できる。
「アレクサンドリト」は、無人艇~当初はフランス製の無人艇インスペクトル、その後はロシア製~を含む一連のロボット装置を装備する。

ロシア海軍の新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型の繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。


従来のソ連/ロシア海軍の掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦と海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)

プロジェクト12700の6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で2018年7月25日に起工されました。


[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]
その乗組員団は、カムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊の北東軍集団の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフの乗組員が編成された]
「ピョートル・イリイチョーフ」は、2021年1月22日に屋内造船台から出渠しました。

一方、サンクトペテルブルクの海軍総合研修センターでの訓練を終えた「ピョートル・イリイチョーフ」の乗組員は、同型艦「ヤーコフ・バリャーエフ」(2020年12月26日就役)で訓練を行なう為、2021年3月12日にウラジオストクへ到着しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフ乗組員は同型艦ヤーコフ・バリャーエフで訓練を行なう]
「ピョートル・イリイチョーフ」は、2021年4月28日に進水しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフは進水した]
進水後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2021年12月1日からフィンランド湾で洋上試験(工場航行試験)を開始しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフはフィンランド湾で洋上試験を開始した]
その後もフィンランド湾やバルト海で洋上試験が続けられていましたが、2022年7月初頭までには一通り完了し、2022年7月11日にサンクトペテルブルクを出航し、配備先であるカムチャツカ半島のペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ向かいました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフは北極海経由でペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ行く]
「ピョートル・イリイチョーフ」はロシア内陸水路経由で白海へ回航され、北極海へ向かいました。


プロジェクト12700の7番艦「アナトーリー・シレモフ」は、2019年7月12日に起工されました。

[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]
2020年11月初頭までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成はほぼ完了し、11月2日には型枠からの抜き取りが終わりました。
[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフの船体が形成された]
2021年11月26日に進水しました。
[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはサンクトペテルブルクで進水した]
その後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2022年7月末に極東への移動を開始し、ロシア内陸水路経由で白海へ回航され、7月31日にはアルハンゲリスク港へ寄港しました。

2隻の掃海艦は北極海(北方海上航路)を横断し、「アナトーリー・シレモフ」(651)は9月10日、「ピョートル・イリイチョーフ」(543)は10月7日にチュクチ自治管区のぺヴェクへ寄港しました。
今後、2隻の掃海艦はカムチャツカ半島のペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ向かいます。
プロジェクト12700対機雷防衛艦は現在までに10隻が起工され、5隻が就役しています。
アレクサンドル・オブホフАлександр Обухов(工場番号521)
2011年9月22日起工/2014年6月27日進水/2016年12月9日就役
バルト艦隊へ配備(507)
ゲオルギー・クルバトフГеоргий Курбатов(工場番号522)
2015年4月24日起工/2020年9月30日進水/2021年8月20日就役
黒海艦隊へ配備(464)
イワン・アントノフИван Антонов(工場番号523)
2017年1月25日起工/2018年4月25日進水/2019年1月26日就役
黒海艦隊へ配備(460)
ウラジーミル・イェメリヤノフВладимир Емельянов(工場番号524)
2017年4月20日起工/2019年5月30日進水/2019年12月28日就役
黒海艦隊へ配備(466)
ヤーコフ・バリャーエフЯков Баляев(工場番号525)
2017年12月26日起工/2020年1月29日進水/2020年12月26日就役
太平洋艦隊へ配備(616)
ピョートル・イリイチョーフПётр Ильичев(工場番号526)
2018年7月25日起工/2021年4月28日進水/2022年末就役予定
太平洋艦隊へ配備予定(543)
アナトーリー・シレモフАнатолий Шлемов(工場番号527)
2019年7月12日起工/2021年11月26日進水
太平洋艦隊へ配備予定(651)
レフ・チェルナヴィンЛев Чернавин(工場番号528)
2020年7月24日起工
太平洋艦隊へ配備予定
アファナシー・イワンニコフАфанасий Иванников(工場番号529)
2021年9月9日起工
北方艦隊へ配備予定
ポリャールヌイПолярный(工場番号530)
2022年6月12日起工
北方艦隊へ配備予定
現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
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