プロジェクト20380コルベット「メルクーリイ」のロシア海軍への引き渡しは2023年初頭になるかもしれない

『タス通信』より
2022年10月24日9時2分配信
【ロシア海軍へのステルスコルベット「メルクーリイ」の引き渡しは2023年に延期されるかもしれない】
モスクワ、10月24日/タス通信
ロシア連邦海軍へのプロジェクト20380多目的コルベット「メルクーリイ」の引き渡しは、2023年初頭に延期されるかもしれない。
『タス通信』は軍当局に近い情報筋より伝えられた。
「コルベット メルクーリイは、試験後の検査が未だ行われていません。
海軍への引き渡し時期に関して悲観的な見方をすれば、来年初頭になります」
彼は話した。
『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
以前に『タス通信』は、「メルクーリイ」は2022年10月に海軍への引き渡しが計画されていると報じた。
8月の時点でコルベットは工場航行試験及び国家試験を完了し、国家委員会は問題点を除去した。
[コルベットについて]
「メルクーリイ」は『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)で建造された第5のプロジェクト20380艦である。
同プロジェクトの主要対艦兵装は、2基の4連装傾斜式コンテナ発射装置で構成され、弾薬として射撃距離260キロメートルの対艦ミサイルKh-35Uを8基持つミサイル複合体「ウラン」である。
コルベット「メルクーリイ」は、2015年2月20日に「リェチーヴイ」の名で起工された。
2021年10月15日、1828~1829年のロシア-トルコ戦争で活躍した黒海艦隊の帆走艦へ敬意を表し、コルベットの「メルクーリイ」への改名が決定された。
コルベットは黒海艦隊への加入が予定されている。
近海ゾーン多目的コルベット(警備艦)プロジェクト20380/20385の建造にはステルス技術が使用されている。
コルベットの物理的フィールドを低減する為、最新の成果が使用されている。
特に、上部構造物には電波吸収特性を備えた耐燃性ガラス繊維強化プラスチックを使用し、そして更に船体と上部構造物の建造レイアウトにより、電波位置測定(レーダー)の視認性の大幅な低下に成功した。
サンクトペテルブルクの『北方造船所』で建造されるプロジェクト20380コルベットとしては5番艦となる「リェチーヴイ」は、2015年2月20日に起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"と"ストローギー"はサンクトペテルブルクで起工された]
複合材料製の上部構造物はサンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で製造され、2016年8月に完成し、『北方造船所』へ引き渡されました。
[ロシア海軍のプロジェクト20380コルベットの為の複合材料製上部構造物はサンクトペテルブルクで製造された]
2018年3月までにディーゼルエンジンが設置されました。

2020年3月12日に進水しました。



[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"はサンクトペテルブルクで進水した]

2021年10月5日に造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月5日9時35分配信
【コルベット「リェチーヴイ」の係留試験が始まった】
2021年10月中旬、「リェチーヴイ」はロシア海軍にとっては伝統的な名前である「メルクーリイ」(1928~1829年のロシア-トルコ戦争において、1829年2月9日に2隻のトルコ戦列艦と戦って勝利したブリッグ)へ改名される事になりました。

[ロシア海軍の新型コルベット"リェチーヴイ"と"メルクーリイ"は改名された]
2022年5月21日、「メルクーリイ」はサンクトペテルブルクを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新コルベット「メルクーリイ」洋上試験開始(2022年5月21日)]

5月26日にクロンシュタットへ帰港しました。
「メルクーリイ」は5月末に出航し、6月1日にクロンシュタットへ帰港しました。



7月31日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
[最新鋭コルベット「メルクーリイ」は7月31日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)の観艦式に参加する]
観艦式が終わった後、「メルクーリイ」の洋上試験は再開されました。
[プロジェクト20380コルベット「メルクーリイ」はロシア海軍への引き渡しを準備する]
[ロシア海軍の最新鋭コルベット「メルクーリイ」はバルト海で洋上試験を続けている]
「メルクーリイ」のロシア海軍への引き渡しは2022年末に予定されていますが、2023年初頭に延期されるかもしれません。
新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380)は、現在までに計12隻が起工され、このうち7隻がロシア海軍へ引き渡されています。
20380は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)とコムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』で建造されています。
[『北方造船所』建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役
バルト艦隊に配備(艦番号550)
「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役
バルト艦隊に配備(艦番号531)
「ボイキー」Бойкий(建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役
バルト艦隊に配備(艦番号532)
「ストイーキー」Стойкий(建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役
バルト艦隊に配備(艦番号545)
「リェチーヴイ」Ретивый/「メルクーリイ」Меркурий(建造番号1007)
2015年2月20日起工/2020年3月12日進水/2022年末就役予定
黒海艦隊に配備予定(艦番号535)
「ストローギー」Строгий(建造番号1008)
2015年2月20日起工/2023年就役予定
黒海艦隊に配備予定
[『アムール造船工場』建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2017年7月20日就役
太平洋艦隊に配備(艦番号333)
「グロームキー」Громкий(建造番号2102)
2012年4月20日起工/2017年7月28日進水/2018年12月25日就役
太平洋艦隊に配備(艦番号335)
「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(建造番号2103)
2015年7月22日起工/2019年9月12日進水/2020年12月25日就役
太平洋艦隊に配備(艦番号339)
「リェーズキー」Резкий(建造番号2104)
2016年7月1日起工/2021年7月1日進水/2022年就役予定
太平洋艦隊に配備予定(艦番号343)
「グローズヌイ」Грозный(建造番号2105)
2021年8月23日起工
太平洋艦隊に配備予定
「ブラーヴイ」Бравый(建造番号2106)
2021年9月29日起工
太平洋艦隊に配備予定
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