fc2ブログ

ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦アスコリドは2023年前半に洋上試験を完了する

askold-1025.jpg
『タス通信』より
2022年10月29日9時9分配信
【情報筋:最新のロケット艦「アスコリド」の試験は2023年に完了する】
モスクワ、10月29日/タス通信

ミサイル複合体「カリブル」及び海上版の高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」で武装するプロジェクト22800(コード名「カラクルト」)の最初の生産艦「アスコリド」の海上試験の完全なサイクルは来年前半に完了する。
『タス通信』防衛産業企業体の情報筋より伝えられた。

「ミサイル複合体"カリブル"及び高射ミサイル-機関砲複合体パーンツィリの海上版で武装する軍艦アスコリドは、12月に工場航行試験を完了し、2023年初頭に国家試験へ着手します。
試験プログラムの海上部門が完了すれば艦の検査が始まります」

彼は話した。

このシリーズの艦を建造している営団『アク・バルス』は、この情報について『タス通信』へコメントしなかった。

以前、『アルミヤ-2022』会場で営団『アク・バルス』総取締役レナート・ミスタホフは、、全てのプロジェクト22800艦はスケジュールに沿って建造されており、複合体「パーンツィリ-M」を搭載して引き渡すと『タス通信』へ伝えた。

公開データによると、5隻のプロジェクト22800小型ロケット艦の建造契約は2016年に『ゼレノドリスク造船工場』(造船営団『アク・バルス』へ加入)と署名された。
建造は、
22800シリーズのトップ艦「ツィクロン」は、現在、黒海艦隊で国家試験を完了している。
残りの艦「アムール」、「トゥーチャ」、「タイフーン」の建造は、『ゼレノドリスク工場』及びケルチ『B.E.ブトマ記念造船工場』の生産設備で進められている。
計5隻の艦は黒海艦隊の為に意図されている。
これらが完成すれば、艦隊の打撃力は一度に40基のミサイル「カリブル」を一斉発射できる程に増強される。




プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦であり、ロシア国内の複数の造船所で建造されています。
(サンクトペテルブルク『ペラ』造船所で7隻ケルチ『ザリフ』造船所で3隻、ゼレノドリスク造船所で2隻、コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で4隻)


22-0818i.jpg
ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』(造船営団『アク・バルス』傘下)は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

ただし、最初の3隻の「カラクルト」は、同じく造船営団『アク・バルス』傘下であるクリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア半島ケルチの造船工場『ザリフ』は生産設備を近代化する]
22-0818g.jpg
「ツィクロン」(工場番号801):2016年7月26日起工/2020年7月24日進水
「アスコリド」(工場番号802):2016年11月18日起工/2021年9月21日進水
「アムール」(工場番号803):2017年7月30日起工


2019年2月26日には『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

5隻目の「タイフーン」(工場番号805)は2019年9月11日に起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦タイフーンはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

これで『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』(造船営団『アク・バルス』)契約分5隻は全て起工されました。


造船営団『アク・バルス』建造艦の2隻目となる「アスコリド」は2016年11月18日に起工され、2021年9月21日に進水しました。

[カラクルト級小型ロケット艦アスコリド進水(2021年9月21日)]

その後、造船所の岸壁で艤装工事が行なわれ、2022年秋に洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭小型ロケット艦アスコリドは試験を開始する]
askold-1025b.jpg

「アスコリド」は、2022年12月に洋上試験の最初の段階である工場航行試験を完了し、2023年初頭から最終洋上試験となる国家試験を開始し、2023年前半に全ての試験を完了します。

「アスコリド」ロシア海軍への引き渡しは、2023年夏頃になるようです。


なお、『アク・バルス』建造艦の1隻目「ツィクロン」は既に洋上試験を全て完了しており、2022年12月末に正式に就役します。
22-0819b.jpg
[カラクルト級小型ロケット艦ツィクロンは2022年末にロシア海軍へ正式に就役する]
関連記事
スポンサーサイト