ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは洋上試験を行なっている

『インテルファクス軍事ニュース出張所』より
2022年10月30日12時0分配信
【ロシア連邦海軍総司令官は新たな戦略潜水艦の試験について述べた】
モスクワ、10月30日、インテルファクス
ロシアは新たな戦略原子力潜水艦「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」の試験を行なっている。
ロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフは伝えた。
「セヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』社で建造された最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフの試験が行なわれています」
エフメノフは、ロシア正規艦隊創設326周年記念日及び水上艦船員の日に関する祝辞で述べた。
「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は、プロジェクト「ボレイ-A」ロケット艦の第2の生産艦である。
同プロジェクト潜水艦は大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を装備する。
「現在、太平洋艦隊の潜水艦部隊へ補充する為に意図されているディーゼルエレクトリック潜水艦ウファは国家試験を成功裏に完了しています」
日曜日にロシア連邦国防省情報部はエフメノフの談話を引用して伝えた。
「ウファ」は、太平洋艦隊の為に建造されたプロジェクト636.3潜水艦シリーズの4隻目である。
潜水艦は有翼ミサイル「カリブル」(試作設計局『ノヴァトール』、株式会社・航空宇宙防衛コンツェルン『アルマーズ-アンテイ』が開発)を装備する。
エフメノフは、ロシア海軍の艦は世界の大洋の様々な海域で常時任務を遂行していると述べた。
「毎日、海上にはロシア海軍の艦船100隻以上が居ます。
現在、地中海ではバルト艦隊艦支隊が海軍のプレゼンス任務を遂行し、インド洋では太平洋艦隊の艦・支援船支隊が行動しています」
総司令官は述べた。
エフメノフの祝電は北方艦隊、太平洋艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊、カスピ小艦隊、遠海ゾーンで任務を遂行している艦が受け取ったとロシア連邦国防省は伝えた。
ロシア海軍の第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの6番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては3番艦)は、当初「クニャージ・スヴォーロフ」と命名される筈でした。
[ロシア海軍のボレイ級戦略原潜6番艦クニャージ・スヴォーロフは2014年12月に起工される]
2014年12月26日の起工当日、艦名は「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」(大元帥スヴォーロフ)に変更されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜ゲネラリーシムス・スヴォーロフは起工された]
艦名の由来となったアレクサンドル・スヴォーロフは18世紀のロシア帝国の将軍であり、クニャージ(公爵)の称号を授けられ、「大元帥」(ゲネラリーシムス)にまで昇進しています。

これまでにスヴォーロフ将軍の名前が付けられたロシア/ソ連海軍の艦は2隻有りました。
戦隊装甲艦「クニャージ・スヴォーロフ」
(1904年8月27日就役、1905年5月27日戦没)

巡洋艦「アレクサンドル・スヴォーロフ」
(1954年2月18日就役、1989年12月15日除籍)

今回の「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」で3代目になります。
2021年12月25日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は船台から出渠しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の戦略用途原子力水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは船台を出た]
2022年1月11日に進水し、造船所の岸壁で艤装工事と洋上試験の準備が進められました。
[セヴェロドヴィンスク造船所はロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフと原子力水中巡洋艦クラスノヤルスクの洋上試験の準備を進めている]
2022年7月19日、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は洋上試験(工場航行試験)を行なう為にセヴェロドヴィンスクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは白海で洋上試験を開始した]
その後も洋上試験は続けられています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは白海で洋上試験を続けている]
現在の所、「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」のロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されていますが、2023年にずれ込む可能性も有ります。
[最新の戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフは2022年12月末にロシア海軍へ引き渡される]
就役後は太平洋艦隊へ配備されます。

記事中で触れられていますが、10月30日は『ロシア正規艦隊創設記念日』並びに『水上艦船員の日』です。
1696年10月30日、ピョートル1世(ピョートル大帝)の命令により貴族院がロシア海軍の創設を決定し、この日は海軍創設記念日となりました。

1714年7月27日(新暦では8月7日)にロシア海軍がガングートの戦闘で勝利した後、これを記念して7月27日が『海軍の日』となりました。

ロシア革命後、『海軍の日』は自然消滅しましたが、1939年に海軍人民委員ニコライ・クズネツォフ提督の提案で復活し、今度は7月24日が『海軍の日』となりました。

1980年10月1日付で7月の最終日曜日が『海軍の日』と定められ、ロシア連邦になってからも受け継がれています(2006年5月31日付のロシア連邦大統領令で改めて制定)。
その一方、本来の海軍創設記念日である10月30日は『水上艦船員の日』、つまり水上艦限定の記念日となりました。
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