セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する

『イタル-タス通信サンクトペテルブルク支局』より
2013年4月8日14時03分配信
【セベヴェロドヴィンスクの造船所は、6隻の打撃原子力潜水艦プロジェクト971を第3世代から「3+」のレベルに上げる高度な近代化を行なう】
アルハンゲリスク、4月8日/イタル-タス通信、ウラジーミル・アヌフリエフ
セベヴェロドヴィンスクの防衛造船所「艦船修理センター・ズヴェズドーチカ」は、6隻の打撃原子力潜水艦プロジェクト971を第3世代から「3+」のレベルに上げる高度な近代化を行なう。
本日、イタル-タス通信は工場の広報サービスより伝えられた。
既に「ズヴェズドーチカ」は国家契約を締結し、同シリーズ艦2隻~トップ原子力潜水艦「レオパルド」と「ヴォルク」の修理及び近代化を実施する。
「レオパルド」は2014年末に海軍へ納入される予定である。
高度な近代化により、新たなプロジェクト971Mとなる。
「この原子力潜水艦が、造船所でこのような量の近代化を行なう事は、ソヴィエト連邦解体後の歴史上初めてです」
広報サービスは述べた。
「近代化は、実質的には全てのシステム~航海、水中音響、兵器複合体、主動力装置、タービン~に影響を及ぼします」
「セヴェロドヴィンスク造船所による近代化は、北方艦隊の水中艦のみならず、太平洋艦隊に配備されている艦も含まれます」
北方艦隊の多用途原子力潜水艦K-328「レオパルド」は2011年6月末に「ズヴェズドーチカ」へ到着した。
2012年5月、同艦は造船台へ入渠し、機器を解体する為の集中作業を行なった。
同艦の納入責任者ニコライ・ヤスニィによると、現在、この発注の為に、約200名が毎日働いている。
作業は2交代制で組織されている。

「レオパルド」は、打撃潜水艦プロジェクト971Mへのサイクル近代化の出発となる。
「ズヴェズドーチカ」は、機器の約15パーセントのみを復旧させる。
残りの部分の作業は、システムの供給者により実施される。
「これはおそらく、プロジェクトで最大の難関であるとズヴェズドーチカは考えます。
これまでに造船所は設計作業文書の完全なセットを持っておりません。
設計者は、半年前には造船所へ(設計作業文書を)提供すべきです」
「レオパルド」は、原子力潜水艦プロジェクト971「シチューカ-B」/NATO分類「アクラ-2」である。
このプロジェクトは、サンクト-ペテルブルク海洋機械製造局「マラヒート」で開発された。
潜水艦は、1993年にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で完成した。
公開情報によると、このプロジェクトの潜水艦は、セヴェロドヴィンスクとコムソモリスク-ナ-アムーレで建造された。
最後の潜水艦「ネルパ」は、2009年12月に極東造船所からロシア海軍へ引き渡され、その後、インドへ約10年間の期間でリースされた。
合計で15隻の原子力艦が進水した。
トップ艦「アクラ」は、2002年に海軍の編制から除かれた。

セヴェロドヴィンスクで建造された最初の潜水艦「バルス」は、2010年に「ズヴェズドーチカ」で解体された。

このシリーズの潜水艦は、ロシア海軍で最も近代的な多用途原子力潜水艦(弾道ミサイル非搭載の)であり、最も静粛な国産潜水艦と見られている。
全長約110メートル、排水量12770トン、水中最大速力33ノット(時速約61キロ)、潜航深度600メートル、乗員73名。
この潜水艦は、核弾頭有翼ミサイルRK-55「グラナート」、ロケット魚雷、水中ロケットで武装している。
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【プロジェクト971「シチューカ-B」】
現在、北方艦隊に6隻、太平洋艦隊に6隻が在籍しています。
2013年3月下旬、プロジェクト971を設計した「マラヒート」の総取締役ウラジーミル・ドロフェーエフ氏は、全てのプロジェクト971のオーバーホールと近代化改装を行なうと表明しました。
[全てのアクラ級原潜はオーバーホールと近代化改装が行なわれる]
以前の報道(2012年11月)によると、近代化されるプロジェクト971には、「カリブル」有翼ミサイルが装備されます。
[ロシア海軍のアクラ級及びキロ級はカリブル有翼ミサイルを装備する]
今回の記事によれば、セヴェロドヴィンスク市の艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」は、北方艦隊所属の971に加え、太平洋艦隊所属艦の近代化も実施するとの事です。
極東方面には原潜修理工場としてボリショイ・カーメニの「ズヴェズダー」が在りますが、原潜の近代化の経験は「ズヴェズドーチカ」の方が多いので、同工場へ回航するのでしょうか。

なお、記事末文に有る「核弾頭有翼ミサイルRK-55グラナート」は、現在では搭載されていません。
「水中ロケット」は、「シュクヴァール」を指していますが、こちらも現在では搭載されていません。

- 関連記事
-
- アクラ級原潜レオパルドは2015年に近代化改装を終えて復帰する
- ロシア太平洋艦隊のアクラ級原潜2隻はセヴェロドヴィンスクで修理される
- セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する
- ショイグ国防相は「修理中」のアクラ級原潜ブラーツクを視察した
- 全てのアクラ級原潜はオーバーホールと近代化改装が行なわれる
スポンサーサイト