fc2ブログ

アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコの最初の洋上試験が始まる

『タス通信』より
2022年11月14日18時50分配信
【フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」は近日中に試験の第1段階へ入る】
サンクトペテルブルク、11月14日/タス通信

最新のプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」は、近日中に試験の第1段階へ入る。
月曜日に『タス通信』『北方造船所』総取締役イーゴリ・オルロフより伝えられた。

「我々はコルベット メルクーリイの試験の最終段階に在り、全ての困難にも関わらず、私共は、これを今年中に御引き渡しする望みを捨ててはおりません。
最新フリゲート アドミラル・ゴロフコの航行試験が始まり、近日中には試験の第1段階へ入ります」

彼は話した。

オルロフによると「近い内の御引き渡しの計画には、2隻の戦闘艦~コルベットとフリゲート、2隻の民間船~トロール船と延縄船が有ります」
「これらは全ての点において非常に困難であり、何故ならば私達はトップの見本を建造しているからです。これは民間船についての話です。
無論我々は、御客様と共にプロジェクトを洗練させております」
オルロフ
は指摘した。

「明日、我々の延縄船の初の海上への出航を計画しております。
12月にはトロール船も水上へ出ます。
これらは工場にとって重要な課題です。
このような艦の御引き渡しのペースは長い間有りませんでした。
来年には、更なる非常に重要な課題が控えております」


月曜日、『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)は創立110周年を迎えた。
22-1111a.jpg



1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は、プロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」と共にサンクトペテルブルク『北方造船所』で2012年2月1日に起工されました。



本艦は「アドミラル・ゴロフコ」の名を持つ艦としては「2代目」になります。
初代「アドミラル・ゴロフコ」は、プロジェクト58ロケット巡洋艦として1961年4月20日に同じ『北方造船所』(当時は『A.A.ジダーノフ記念造船工場』)で起工され、1962年7月18日に進水、1964年12月30日に就役しました。
当初は北方艦隊へ配属されましたが、1968年3月に黒海艦隊へ転属し、1982年6月から1989年3月までセヴァストーポリでオーバーホールが行なわれました。
admiral-golovko.jpg
ソ連邦解体後も現役に留まり、1990年代には黒海艦隊旗艦を務め、2002年11月に除籍されました。
118-2000a.jpg
118-2000b.jpg


起工から2年後の2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係が悪化した為、ガスタービンエンジン(M90FR)の供給が途絶える事になりました。

元々、ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア及びウクライナの企業が関わっており、エンジンの最終組立はウクライナで行なわれていました。
(主要部品はロシアの企業で製造し、それをウクライナへ送って最終組み立て)
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

ウクライナでの最終組み立てが出来なくなった為、その為の設備をロシア国内に建設し、完全にロシア国内だけでガスタービンエンジンを生産できる体制を構築する必要が生じ、この体制作りに数年を要しました。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲート3番艦と4番艦のガスタービンエンジンはロシア国内で製造されている]
[ロシア海軍の新世代フリゲート・プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)における輸入代替問題]

ようやくガスタービンエンジン完全国産の目途が立ち、「アドミラル・ゴロフコ」用のガスタービン造船所へ供給されました。
これにより、建造が遅延していた「アドミラル・ゴロフコ」も進水する目途が立ちました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2020年7月1日までに進水する]

以前には2020年4月末~5月初頭の進水が予定されていましたが、新型コロナウイルス流行の影響の為、5月22日に延期されました。

[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは進水した]

進水後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。
21-0601c.jpg

2021年夏以降に造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは係留試験の準備を進めている]

「アドミラル・ゴロフコ」の洋上試験は2022年9月の開始が予定されていましたが、2ヶ月ほど遅れて11月中に始まります。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2022年9月に洋上試験を開始する]

「アドミラル・ゴロフコ」ロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されていましたが、洋上試験の開始が予定より2ヶ月以上遅れたので、2022年中の引き渡しは実現しないでしょう。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2022年12月末にロシア海軍へ就役する]


1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で8隻が起工されており、この内2隻がロシア海軍へ引き渡され、もう1隻が艤装中です。

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Горшков»(工場番号921)
neva454.jpg
2006年2月1日起工/2010年10月29日進水/2018年7月28日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号454)

「アドミラル・フロータ・カサトノフ」«Адмирал флота Касатонов»(工場番号922)
SF461-af-kasatonov.jpg
2009年11月26日起工/2014年12月12日進水/2020年7月21日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号461)

「アドミラル・ゴロフコ」«Адмирал Головко»(工場番号923)
22350-gorovko-0929.jpg
2012年2月1日起工/2020年5月22日進水/2023年末就役予定
北方艦隊へ配備予定

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Исаков»(工場番号924)
22350-isakov-1026.jpg
2013年11月14日起工/2023年以降就役予定

「アドミラル・アメリコ」«Адмирал Амелько»(工場番号925)
2019年4月23日起工/2024年就役予定

「アドミラル・チチャーゴフ」«Адмирал Чичагов»(工場番号926)
2019年4月23日起工/2025年就役予定

「アドミラル・ユマシェフ」«Адмирал Юмашев»(工場番号927)
2020年7月20日起工/2025年就役予定

「アドミラル・スピリドノフ」«Адмирал Спиридонов»(工場番号928)
2020年7月20日起工/2026年就役予定


5番艦(「アドミラル・アメリコ」)以降は巡航ミサイルの搭載数を増加した改正型となります。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲートの後期建造艦(5番艦以降)は32基の巡航ミサイル(対艦ミサイル)を搭載する]

9番艦10番艦の起工も予定されています。
[ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2隻(9番艦と10番艦)は2022年に起工される]
関連記事
スポンサーサイト