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退役したロシア海軍北方艦隊の原子力大型潜水艦スヴィトイ・ダニール・モスコフスキーは解体される

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『タス通信』より
2022年11月18日9時42分配信
【情報筋は原子力潜水艦「スヴィトイ・ダニール・モスコフスキー」が処分へ向かったと述べた】
モスクワ、11月18日/タス通信

北方艦隊プロジェクト671RTK原子力潜水艦「スヴィトイ・ダニール・モスコフスキー」は、ロシア北東部の企業の内の1つでの処分へと向かった。
『タス通信』は造船業界の情報筋より伝えられた。

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「原子力潜水艦スヴィトイ・ダニール・モスコフスキーは、先週にその最後の海上への出航を行ないました~これは更なる処分の為、我が国北方の艦船修理企業の内の1つへ移管されます」
彼は話した。

対談者は、原子力潜水艦の処分の為の作業は未だ始まっていないと通知した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

潜水艦K-414(その後にB-414)(1996年から「スヴィトイ・ダニール・モスコフスキー」)はレニングラードで建造され、1990年に進水した。
1994年には浮上する為、他の原子力潜水艦と共に北極点を訪れた。
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潜水艦海軍旗は10月28日に降ろされた。



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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【B-414「ダニール・モスコフスキー」、プロジェクト671RTMK】

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プロジェクト671RTM「シチューカ」巡洋潜水艦(「ヴィクターIII」)K-414は、1988年12月1日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)『アドミラルティ造船所』で起工され、1990年8月31日に進水しました。

1990年9月にロシア内陸水路経由で白海沿岸のセヴェロドヴィンスクへ回航されました。

1990年12月1日~17日まで洋上試験(国家試験)を行ないました。

1990年12月30日に受領証書へ署名され、翌12月31日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にソヴィエト連邦海軍へ就役しました。

K-414671RTM『アドミラルティ造船所』建造艦(計13隻就役)の12番艦であり、671RTM最終グループである671RTMK5隻の内の4隻目です。
(この他に671RTM極東『アムール造船工場』でも13隻建造)

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1991年3月14日、赤旗北方艦隊北方艦隊第1潜水艦小艦隊第6潜水艦師団へ編入され、ザーパドナヤ・リツァ基地(ザオゼルスク)へ配備されました。
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1991年10月、アラ・グバ(ヴィジャエヴォ)基地へ移転しました。
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1992年6月3日付で「原子力大型潜水艦」に艦種変更され、これに伴いB-414と改称されました。

1992年11月から翌1993年までポリャールヌイ第10艦船修理工場でドック修理が行なわれました。
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1994年7月14日~8月12日に掛けて667BDRM戦略用途原子力水中巡洋艦K-18と共に北極航海を行ない、この間7月25日には北極点へ浮上しました。

1994年10月1日付で第7潜水艦師団へ転属しました。

1996年9月18日付で「スヴィトイ・ダニール・モスコフスキー」(聖モスクワ公ダニール)と命名されました。
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1998年5月~8月にポリャールヌイ『第10艦船修理工場』でドック修理が行なわれました。

2001年8月~10月には原子力大型潜水艦B-448「タンボフ」と共に戦闘当直へ就き、洋上パトロールを行ないました。

2003年5月~6月には「タンボフ」と共に北方艦隊の演習へ参加しました。

2005年7月31日の「スヴィトイ・ダニール・モスコフスキー」
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2006年7月30日にセヴェロモルスクで開催されたロシア海軍記念日観艦式へ参加しました。
[ヴィクターIII型原潜「ダニル・モスコフスキー」その1]
[ヴィクターIII型原潜「ダニル・モスコフスキー」その2]
[ヴィクターIII型原潜「ダニル・モスコフスキー」その3]

2006年9月6日、洋上行動中に火災事故を起こし、乗員2名が死亡しました。
[「ダニル・モスコフスキー」火災事故(2006年9月6日)]

その後、スネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、2009年2月まで修理が行なわれました。
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復帰後、2009年7月~8月に戦闘勤務へ就きました。

2010年にも戦闘勤務へ就きました。
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2012年7月29日にセヴェロモルスクで開催されたロシア海軍記念日観艦式へ参加しました。
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2012年8月にロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
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2012年11月18日、バレンツ海で遭難した漁船を救助しました。
[ヴィクターIII級原潜ダニール・モスコフスキーは漁船を救助した]
[ヴィクターIII級原潜ダニール・モスコフスキーは遭難漁船の乗員を沿岸へ送り届けた]

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2013年以降は洋上へ出る事も無くなり、2015年12月1日には乗組員が削減されました。
[ロシア海軍はヴィクターIII級原潜を近代化しない]

2018年夏ごろに処分(解体)が決定され、2019年4月に解体の為の入札が行なわれました。

その後もアラ・グバへ係留されていました。

『ズヴェズダーテレビ』より
2021年5月23日10時15分配信
【北極点の征服者:氷層の突破は原子力潜水艦「ダニール・モスコフスキー」へどう影響したか】

2022年10月28日に海軍旗を降納しました。

11月12日、スネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』へ回航されました。

今後、「スヴィトイ・ダニール・モスコフスキー」『ネルパ』で解体されます。


現在、ロシア海軍で現役に留まっている671RTMKは、B-138「オブニンスク」、B-448「タンボフ」の2隻のみです。
(2隻とも艦船修理工場『ネルパ』で近代化改装中)
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト671RTM及びRTMK「シチューカ」(NATOコード名「ヴィクター-III」)】
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