原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で演習を行なう
- カテゴリ:ロシア北方艦隊(2012-2019年)


『イタル-タス通信サンクト-ペテルブルク支局』より
2013年4月12日12時59分57秒
【重原子力ロケット巡洋艦 「ピョートル・ヴェリキー」は戦闘訓練任務を果たす為にバレンツ海へと去った】
ムルマンスク、4月12日/イタル-タス通信、ワシーリー・ベロウソフ
北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦 「ピョートル・ヴェリキー」乗組員はバレンツ海へと去り、本日(4月12日)から大海原での単艦行動を果たす。
最初のエピソードの1つは、公海における単艦での組織的救助演習である。
艦載ヘリコプターKa-27乗員が空中偵察を行なった後、艦は水上の人物を模したマネキンが発見された場所へ向かった。
その後、高速艇「救助者」は巡洋艦の艦上へ彼を送り届け、艦の医療サービス代表者へ引き渡した。
北方艦隊公式代理人ワジム・セルガ1等海佐はイタル-タスへ話した。
また、「ピョートル・ヴェリキー」乗組員は、海洋において艦の生存の為に対処する管理演習へ参加した。
巡洋艦の緊急チームは、この演習で浸水及び火災へ対処する為の緊急救助物品の使用に習熟する。
基地へ戻る前に、艦載砲AK-130の海上及び地上目標に対する複合射撃が実施される予定である。
高射複合体「コールチク」と「フォルト-M」は、空中攻撃手段からの艦の対空防衛を実施する組織の演習に関与する。
重原子力ロケット巡洋艦 「ピョートル・ヴェリキー」は、レニングラードのバルト工場で1986年4月に起工され、1989年4月29日に進水しました。
当初の名前は「ユーリー・アンドロポフ」でした。
ソヴィエト連邦解体後の1992年5月27日に「ピョートル・ヴェリキー」と改名されました。
ロシア海軍へ引き渡されたのは、起工から約12年後の1998年3月でした。
当初は太平洋艦隊へ配備される予定でしたが、この当時のロシア海軍には「ピョートル・ヴェリキー」を極東まで回航する財政的余裕が無い為、北方艦隊へ編入されました。
[キーロフ級4番艦ピョートル・ヴェリキー]
[就役前の原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1995~1997年)]
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」就役10周年]
就役直後は資金不足で外洋への航海を実施する事が出来ず、2004年3月下旬には、本艦を巡る「核爆発騒動」が起こりました。
[ピョートル・ヴェリキー「核爆発」騒動]
「核爆発」云々は全くのデマでしたが、この一件により、「ピョートル・ヴェリキー」は原子炉や機関にトラブルを抱えているというイメージが日本で定着する事になりました。
2004年10月、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と共に北東大西洋へ進出しました。
[大西洋上のクズネツォフ・その2(機動部隊)]
[大西洋上のクズネツォフ・その3(機動部隊)]
2005年にも大西洋で行動しました。
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その1]
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その2]
「ピョートル・ヴェリキー」は、2008年9月から2009年3月までカリブ海、南アフリカ、インドへの長期遠距離航海を実施しました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]
この時、インド沿岸での演習を終えてアデン湾へ航行している途中の「ピョートル・ヴェリキー」は、2009年2月12日、ソコトラ島沖でソマリア海賊を発見、拘留しました。
[ロシア海軍原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、3隻の海賊船を拘留]
2010年春~初夏には、極東の戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加する為、遥々極東の沿海地方までやって来ました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年5月17日発表)】
2010年5月16日午後11時頃、「ピョートル・ヴェリキー」は、ツシマ海峡を北上し、日本海へ入りました。
「ピョートル・ヴェリキー」は、2010年7月初頭から実地戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加しました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【実地戦略演習「ヴォストーク-2010」纏め】
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年7月26日発表)】
2010年7月24日正午頃、「ピョートル・ヴェリキー」は、ツシマ海峡を南下、沿海地方を去りました。
2012年5月初頭から6月下旬まで浮きドックへ入渠しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキー、浮きドックから出渠(2012年6月23日)]
2012年9月には北極圏への遠距離航海を実施しました。
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
この時、北極圏で弾道ミサイル迎撃訓練を実施しました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはロシアの対弾道ミサイル防衛の一翼を担う]
「ピョートル・ヴェリキー」は、現在のロシア海軍において弾道ミサイル迎撃能力を持つ唯一の水上戦闘艦です。
2013年1月10日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンより「ナヒーモフ勲章」を授与されました。
[プーチン大統領は北方艦隊基地を訪問する]
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