ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で搭載機器の試験を実施した

『タス通信』より
2022年11月30日10時13分配信
【沿海地方で掃海艦「アナトーリー・シレモフ」は最新機器の試験を実施した】
ウラジオストク、11月30日/タス通信
太平洋艦隊の為に建造されたプロジェクト12700「アレクサンドリト」海洋掃海艦「アナトーリー・シレモフ」は、ピョートル大帝湾における工場航行試験中、海洋映像受信複合体と航法電波位置測定ステーション(レーダー)の試験を実施した。
水曜日に艦隊広報サービスは発表した。
「工場航行試験の今次段階中に艦は、割り当てられた課題の解決の為の全ての最新要件を満たす海洋映像受信複合体のテストモードでの試験を行ないました。
更に海上への出航中に業界の専門家及び最新海洋掃海艦の乗組員は、航法電波位置測定ステーションの試験を実施しました」
声明では、こう述べられた。
点検活動の完了後、海洋掃海艦は艦隊の艦構成へ加わり、聖アンドレイ旗が掲揚される。
海洋掃海艦「アナトーリー・シレモフ」は、『中部ネヴァ川造船工場』が建造した太平洋艦隊の為の3隻目のプロジェクト12700であり、シリーズの7隻目である。
カムチャツカでは2隻の同型の掃海艦~「ヤーコフ・バリャーエフ」及び「ピョートル・イリイチョーフ」が勤務に就いている。
艦は、世界最大の一体ガラス繊維強化プラスチック製船体という独特性を有する。
このような船体の勤務期間は長く、重量は著しく小さい。
ロシア海軍の新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型の繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。


従来のソ連/ロシア海軍の掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦と海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)
プロジェクト12700の7番艦「アナトーリー・シレモフ」は、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で2019年7月12日に起工されました。

[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]
2020年11月初頭までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成はほぼ完了し、11月2日には型枠からの抜き取りが終わりました。
[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフの船体が形成された]
2021年11月26日に進水しました。
[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはサンクトペテルブルクで進水した]
その後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。

2022年7月末にロシア内陸水路経由で白海への移動を開始しました。

7月31日にはアルハンゲリスク港へ寄港しました。


「アナトーリー・シレモフ」(651)は同型艦「ピョートル・イリイチョーフ」(543)と共に北極海(北方海上航路)を横断し、9月10日にチュクチ自治管区のぺヴェクへ寄港しました。
(「ピョートル・イリイチョーフ」は一足遅れて10月7日に寄港)

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフとアナトーリー・シレモフは北極海経由でカムチャツカ半島へ向かっている]
その後、「アナトーリー・シレモフ」は2022年11月3日にウラジオストクへ到着しました。
2022年11月12日、「アナトーリー・シレモフ」はピョートル大帝湾へ出航し、洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で洋上試験を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で洋上試験を続けている]
ピョートル大帝湾での洋上試験は続いており、これが完了すればロシア海軍へ引き渡されます。
「アナトーリー・シレモフ」のロシア海軍への引き渡し時期は明らかにされていませんが、早ければ2022年12月末になるようです。
なお、「アナトーリー・シレモフ」と共に北極海経由で極東方面へ回航されてきた「ピョートル・イリイチョーフ」は10月末頃にペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ到着し、11月16日にロシア海軍への就役式典を開催しました。
[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
プロジェクト12700対機雷防衛艦は現在までに10隻が起工され、6隻が就役しています。
アレクサンドル・オブホフАлександр Обухов(工場番号521)
2011年9月22日起工/2014年6月27日進水/2016年12月9日就役
バルト艦隊へ配備(507)
ゲオルギー・クルバトフГеоргий Курбатов(工場番号522)
2015年4月24日起工/2020年9月30日進水/2021年8月20日就役
黒海艦隊へ配備(464)
イワン・アントノフИван Антонов(工場番号523)
2017年1月25日起工/2018年4月25日進水/2019年1月26日就役
黒海艦隊へ配備(460)
ウラジーミル・イェメリヤノフВладимир Емельянов(工場番号524)
2017年4月20日起工/2019年5月30日進水/2019年12月28日就役
黒海艦隊へ配備(466)
ヤーコフ・バリャーエフЯков Баляев(工場番号525)
2017年12月26日起工/2020年1月29日進水/2020年12月26日就役
太平洋艦隊へ配備(616)
ピョートル・イリイチョーフПётр Ильичев(工場番号526)
2018年7月25日起工/2021年4月28日進水/2022年11月16日就役
太平洋艦隊へ配備(543)
アナトーリー・シレモフАнатолий Шлемов(工場番号527)
2019年7月12日起工/2021年11月26日進水
太平洋艦隊へ配備予定(651)
レフ・チェルナヴィンЛев Чернавин(工場番号528)
2020年7月24日起工
太平洋艦隊へ配備予定
アファナシー・イワンニコフАфанасий Иванников(工場番号529)
2021年9月9日起工
北方艦隊へ配備予定
ポリャールヌイПолярный(工場番号530)
2022年6月12日起工
北方艦隊へ配備予定
現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
- 関連記事
-
- ロシア海軍太平洋艦隊の対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはカムチャツカ沖で無人艇を使用する掃海演習を実施した
- 新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフは2022年12月末にロシア海軍へ就役する
- ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で搭載機器の試験を実施した
- ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で洋上試験を続けている
- ロシア海軍太平洋艦隊の対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはカムチャツカ沖で掃海演習を実施した
スポンサーサイト