ロシア海軍太平洋艦隊の対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはカムチャツカ沖で無人艇を使用する掃海演習を実施した

『PortNews』より
2022年12月12日13時18分配信
【カムチャツカで太平洋艦隊のプロジェクト12700海洋掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は無人艇を使用して任務へ取り組んだ】
ロシア北東軍集団の水域保護艦連合部隊のプロジェクト12700「アレクサンドリト」の下に『中部ネヴァ川造船工場』(『統合造船業営団』へ加入)で建造された最新のプロジェクト12700機雷掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、機雷危険海域を突破する演習中、捜索の為の艦の最新の自動化手段を使用し、様々な分類の海洋機雷を無力化した。
東方軍管区広報サービスは発表した、
掃海艦は駐留所から出航し、対破壊工作巡視任務へ取り組み、機雷の監視と偵察、捜索を行なった。
海洋掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員は、仮想機雷源の有る海域を突破して通過する最中に機雷捜索・探知自動複合体「ディエズ」、水中音響ステーション「リヴァディヤ」、そして無人艇「スカンダ」を使用した。

無人艇の要員は、危険地帯で機雷模型の捜索を遠隔で行なった。
演習の第2段階で掃海艦の乗組員は掃海網を設置し、その後ろの戦闘艦グループを指定海域へ先導した。
復路で掃海艦の乗組員は、探知された機雷を水中及び水上の自動対機雷装置で破壊する為の手順へ取り組んだ。
太平洋艦隊の計画戦闘訓練中の演習は、アヴァチンスキー湾の海上射爆場の1つで行なわれた。

プロジェクト12700「アレクサンドリト」は設計局『アルマーズ』(『統合造船業営団』へ加入)により開発され、最新の海洋機雷へ対処する為に意図されており、それらを海域の水上及び海底で探知できる。
同艦は、太平洋艦隊で最初の同プロジェクト艦である。
計画によると、このような艦を艦隊は3隻持つ。
掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、シリーズの5隻目であり、同プロジェクトの第4の生産艦である。
それは、太平洋艦隊海軍歩兵の水兵でソヴィエト連邦英雄のヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフに敬意を表して命名された。

ロシア海軍の新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。


従来のソ連/ロシア海軍の掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦と海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)

プロジェクト12700対機雷防衛艦の5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]
艦名の元になったヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフ(1924年6月9日-1945年8月14日)は、1945年8月のソヴィエト-日本戦争に参加した海軍歩兵隊員であり、8月14日に朝鮮北部の清津の戦闘で戦死し、21歳の短い生涯を閉じました。
死後、ソヴィエト連邦英雄称号を授与されました。

「ヤーコフ・バリャーエフ」は2019年12月18日に屋内造船台から出渠しました。
「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員団は、2019年12月末までにカムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊の北東軍集団の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフの乗組員が編成された]
2020年1月29日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は進水しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで進水した]
サンクトペテルブルクのロシア海軍統合訓練センターでの「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員の訓練は2020年3月下旬に完了し、その後、バルト艦隊へ配備された1番艦「アレクサンドル・オブホフ」で洋上の実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフ乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した]
そして2020年7月31日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は『中部ネヴァ川造船工場』の艤装岸壁を離れ、太平洋艦隊基地へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは極東へ向かった]
その後、「ヤーコフ・バリャーエフ」は北極海へ入りました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはラプテフ海へ入った]

10月3日にはカムチャツカ半島(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは北極海経由でカムチャツカ半島へ到着した]
10月22日にウラジオストクの金角湾へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは北極海経由でウラジオストクへ到着した]

「ヤーコフ・バリャーエフ」は11月初頭までに係留試験を完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは洋上試験の準備を進めている]
11月13日、日本海で洋上試験(工場航行試験と国家試験)を行なう為に初めて出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で洋上試験を開始した]
その後、一旦ウラジオストクへ戻り、12月7日に最終洋上試験を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で最終洋上試験を開始した]
12月16日には30mmガトリング機関砲AK-630による対空・対水上射撃と、機雷掃討の試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で射撃試験を行なった]
「ヤーコフ・バリャーエフ」の洋上試験は12月23日までに完了しました。
[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフの洋上試験は完了し、2020年12月26日にロシア海軍へ就役する]
2020年12月26日、ウラジオストクの金角湾で「ヤーコフ・バリャーエフ」への聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。


[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊に編入された]
その後、乗組員の慣熟訓練を行ない、2021年3月には、今後就役する同型艦「ピョートル・イリイチョーフ」乗組員の訓練も併せて行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフ乗組員は同型艦ヤーコフ・バリャーエフで訓練を行なう]
2021年4月初頭には太平洋艦隊の最新コルベット2隻と共に砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフと最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"、"グロームキー"は日本海で砲撃訓練を行なった]
その後、ウラジオストクを出航してペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ向かい、2021年5月21日に同地へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはカムチャツカ半島へ到着した]
「ヤーコフ・バリャーエフ」は、ペトロパヴロフスク・カムチャツキーに駐留する第114水域防護艦旅団の第117水域防護艦大隊へ配属されました。
その後はカムチャツカ方面で行動しています。
2021年7月25日の『ロシア海軍の日』にはペトロパヴロフスク・カムチャツキーの観艦式へ参加しました。
2022年5月中旬には、カムチャツカに駐留する小型ロケット艦「イネイ」、「スメルチ」、対潜哨戒機Il-38Nと共に演習を行ないました。
『PortNews』より
2022年5月17日8時27分配信
【掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は太平洋艦隊のロケット艦グループを掃海先導した】
2022年7月31日の『ロシア海軍の日』にはペトロパヴロフスク・カムチャツキーの観艦式へ参加しました。
2022年8月19日から21日までペトロパヴロフスク・カムチャツキーで開催される国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2022』に「出展」されました。
(『アルミヤ-2022』メイン会場のクビンカの『愛国者公園』では8月15日から21日まで開催)
[ロシア海軍太平洋艦隊の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2022』で展示される]
2022年11月下旬のロシア北東軍集団(カムチャツカ方面の海軍部隊)の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはカムチャツカ沖で掃海演習を実施した]
プロジェクト12700対機雷防衛艦は現在までに10隻が起工され、6隻が就役しています。
アレクサンドル・オブホフАлександр Обухов(工場番号521)
2011年9月22日起工/2014年6月27日進水/2016年12月9日就役
バルト艦隊へ配備(507)
ゲオルギー・クルバトフГеоргий Курбатов(工場番号522)
2015年4月24日起工/2020年9月30日進水/2021年8月20日就役
黒海艦隊へ配備(464)
イワン・アントノフИван Антонов(工場番号523)
2017年1月25日起工/2018年4月25日進水/2019年1月26日就役
黒海艦隊へ配備(460)
ウラジーミル・イェメリヤノフВладимир Емельянов(工場番号524)
2017年4月20日起工/2019年5月30日進水/2019年12月28日就役
黒海艦隊へ配備(466)
ヤーコフ・バリャーエフЯков Баляев(工場番号525)
2017年12月26日起工/2020年1月29日進水/2020年12月26日就役
太平洋艦隊へ配備(616)
ピョートル・イリイチョーフПётр Ильичев(工場番号526)
2018年7月25日起工/2021年4月28日進水/2022年11月16日就役
太平洋艦隊へ配備(543)
アナトーリー・シレモフАнатолий Шлемов(工場番号527)
2019年7月12日起工/2021年11月26日進水/2022年12月就役予定
太平洋艦隊へ配備予定(651)
レフ・チェルナヴィンЛев Чернавин(工場番号528)
2020年7月24日起工
太平洋艦隊へ配備予定
アファナシー・イワンニコフАфанасий Иванников(工場番号529)
2021年9月9日起工
北方艦隊へ配備予定
ポリャールヌイПолярный(工場番号530)
2022年6月12日起工
北方艦隊へ配備予定
現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
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