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サンクトペテルブルクの北方造船所の新たな乾ドックは2024年春に完成する

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『MASHNEWS』より
2022年12月16日9時9分配信
【『北方造船所』は新たな屋内造船台の建設の為の総合請負業者を見つけた】

『北方造船所』は、造船工場近代化の第1段階を完了する為の第3の総合請負業者を見つけた。
公開入札の勝者は、製造商会『ルスガルド』(ロストフ・ナ・ドヌー)であった。
『インテルファクス』は報じた。


製造商会『ルスガルド』は、対応する公開入札の唯一つの参加者であったことは注目される。

契約の枠組みにおいて、同社の専門家は、大型艦船の為の屋内造船台の柱立てを完了し、天上を取り付け、建物の外部を完成させる。
更に管理棟を建設し、工作機械及びクレーン機器を購入する。

作業は2024年3月に完了しなければならない。
契約の費用は明らかにされていない。

製造商会『ルスガルド』は、『北方造船所』の近代化に関与する第3の総合請負業者となる。
前の会社~有限会社『国内システム&テクノロジー』(モスクワ)公開株式会社『メトロストロイ』(サンクトペテルブルク)は、契約上の義務を履行できなかった。

「今回は、このような事が二度と起こらないように願っており、屋内造船台は建設されます。
私達には、非常に濃密な生産プログラムが有り、追加の船台の場所を必要としております。
私達は、作業の迅速な完了に関心を持っています」
『北方造船所』
総取締役イーゴリ・オルロフは話した。

10月にオルロフは、屋内造船台の建設は今年も継続が計画されていると『MASHNEWS』へ伝えた。

[『MASHNEWS』参照]
造船所
屋内造船台の建設は、工場の生産設備の近代化の第1段階である。
2017年に『メトロストロイ』は、これらの作業を遂行する契約を受けた。
作業は2019年第1四半期の完了が予定されていたが、請負業者はその課題に対応できず、契約はキャンセルされた。

2020年、『統合造船業営団』総取締役アレクセイ・ラフマノフは、同年末までに屋内造船台の建設完了を計画していると言った。
2020年9月、『北方造船所』は新しい請負業者となる『国内システム&テクノロジー』との契約へ署名した。
その後、建物は2022年の納入が計画されていた。
契約費用は78億ルーブルと見積もられた。

生産設備近代化の第1段階には、高さ73.5メートルの屋内造船台で覆われた2ヶ所の250メートル×100メートルの水平スラブコンクリート船台の建設と、吊下げ能力350トンの橋形クレーンが含まれる。
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【『北方造船所』公式サイト】

サンクトペテルブルク『北方造船所』は、1912年11月14日に創立されました。
当初は『プチロフ造船所』という名前でしたが、1922年に『北方造船所』と改名されました。

1934年には『A.A.ジダーノフ記念造船工場』(第190工場)と改名されましたが、1989年には『北方造船所』に戻され、現在に至っています。

『北方造船所』(当初は『プチロフ造船所』)が最初に建造した船は、今もロシア海軍で現役に留まっている救助船「コムーナ」です。
(1912年11月12日起工、1913年11月17日進水、1915年7月14日就役、就役時の船名は「ヴォルホフ」)
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操業開始以来、主に駆逐艦クラスの水上戦闘艦を建造してきました。

ソヴィエト連邦海軍初の嚮導駆逐艦(プロジェクト1)「レニングラード」『北方造船所』で建造されました。
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1960年代以降のプロジェクト58ロケット巡洋艦、プロジェクト1134ロケット巡洋艦、プロジェクト1134A大型対潜艦、プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦)は、『北方造船所』のみで建造されました。

プロジェクト58ロケット巡洋艦:1962年~1965年に4隻建造
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プロジェクト1134ロケット巡洋艦:1967年~1969年に4隻建造
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プロジェクト1134A大型対潜艦:1969年~1977年に10隻建造
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プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦):1980年~1993年に17隻建造(この他、中国海軍向けとして改型2隻を含む4隻建造)
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この他、プロジェクト1135警備艦、プロジェクト1155大型対潜艦の一部も『北方造船所』で建造されました。

プロジェクト1135警備艦:1976年~1979年に6隻建造
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プロジェクト1155大型対潜艦:1981年~1988年に4隻建造
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21世紀に入ってからは、ロシア海軍新世代水上戦闘艦プロジェクト20380コルベットプロジェクト20385コルベットプロジェクト20386コルベットプロジェクト22350フリゲート~を建造しています。

プロジェクト20380コルベット:2001年~2015年に6隻起工、内2008年~2014年に4隻就役、1隻洋上試験中
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プロジェクト20385コルベット:2012年~2隻起工、内2020年に1隻就役
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プロジェクト22350フリゲート:2006年~2020年に8隻起工、内2018年~2020年に2隻就役、1隻洋上試験中
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これまでに通常動力艦のみを建造してきた『北方造船所』ですが、2012年2月には、原子力推進艦を建造できる認可をロシア連邦政府から得ました。
[サンクトペテルブルク北方造船所は、原子力艦の建造を準備する]

これは、将来の原子力駆逐艦「リデル」の建造を見据えた措置です。

しかし、『北方造船所』の乾ドックのサイズは全長170メートル、幅20メートルであり、全長200メートル以上の「リデル」を建造するのは不可能です。

そこで、新たに、より大型の乾ドックが建設される事になりました。
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この大型乾ドックは2021年末までの完成が予定されていましたが、請負業者が倒産してしまった為、2022年11月に公開入札が行なわれ、新たな請負業者が選定されました。
[サンクトペテルブルクの北方造船所の新たな乾ドックは2022年以降に稼働する]

新たな請負業者と締結された契約による工事完了時期は2024年3月末です。

新たな大型乾ドックの完成後、先ず初めにプロジェクト22350の拡大発展型であるプロジェクト22350Mフリゲートが建造されます。
[ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の排水量は9000~10000トンに増加する]
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