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ロシア海軍バルト艦隊向けのカラクルト級小型ロケット艦ブーリャはバルト海で高射ミサイル-機関砲複合体パーンツィリ-Mによる対水上射撃試験を実施した

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『タス通信』より
2022年12月26日1時7分配信
【小型ロケット艦「ブーリャ」はバルト海での国家試験中に複合体「パーンツィリ-M」の射撃を実行した】
カリーニングラード、12月25日/タス通信

最新のプロジェクト22800小型ロケット艦「ブーリャ」有翼ミサイル「カリブル」搭載艦~は、バルト海における国家試験の最終段階の枠組みで高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」から海上目標への射撃を成功裏に実行した。
日曜日にバルト艦隊広報サービスは発表した。

「国家試験プログラムを実施している小型ロケット艦ブーリャの乗組員は、仮想敵水上艦を模した海上盾船へ機関砲兵器複合体パーンツィリ-Mによる射撃を実施しました」
広報サービスは話した。
客観的観測データにより、それは成功と認められた事が指摘された。

以前の12月24日、艦は空中目標への砲複合体AK-176の射撃を成功裏に実行した。

海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の決定により、小型ロケット艦「ブーリャ」は国家試験プログラムの完了後にバルト艦隊へ加入し、バルト艦隊バルチースク海軍基地ロケット艦・ロケット艇連合部隊で意図された任務を遂行する。

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「パーンツィリ-M」は、ロシア高射ミサイル-機関砲複合体の艦載ヴァージョンであり、陸上ヴァージョンは「パーンツィリ-S」と呼ばれる。

「パーンツィリ-M」は、航空機、ヘリコプター、高精度兵器(対艦ミサイル無人飛行装置を含む)、そして更に水上及び沿岸の目標の撃破の為に意図されている。
艦載複合体「パーンツィリ-M」は、距離75キロメートルの目標を探知し、艦から半径40キロメートル、高度15キロメートルで破壊できる。
その特徴は、1グループを構成して様々な方向から攻撃してくる4個までの目標の同時攻撃能力に在る。
複合体は、約500トンの排水量を持つロケット艇から航空母艦まで、全ての種類の戦闘艦へ設置できる。

「ブーリャ」は、中央海洋設計局『アルマーズ』が開発したプロジェクト22800多目的小型ロケット艦であり、近海ゾーンで任務を遂行する為に意図されている。
同プロジェクト艦は、有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の為の8セルの汎用艦載射撃複合体自動砲塔AK-176MAで武装する。
これに加え、艦の対空防衛構成には、携帯高射ミサイル複合体「イグラ」高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」が含まれる。




プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦です。

プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)
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プロジェクト12411ロケット艇(R-239)
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元々は「オヴォード」「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]

その後、『アルマーズ』設計局「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。

プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)
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プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦
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プロジェクト22800小型ロケット艦の4番艦「ブーリャ」は、2016年12月24日にサンクトペテルブルク『ペラ』造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ブーリャはサンクトペテルブルクで起工された]

2018年10月23日に進水しました。

[ロシア海軍の為のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは進水した]

「ブーリャ」は2021年末の就役が予定されていましたが、2021年中には洋上試験を開始するまでに至らず、翌年に延期されました。
[小型ロケット艦ブーリャとグラードは2021年にロシア海軍へ就役し、バルト艦隊へ配備される]
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2022年10月17日、「ブーリャ」バルト海で洋上試験の第1段階(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャはバルト海で洋上試験を開始した]

11月中旬には艦砲(76mm砲)の射撃試験などが行なわれました。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャはバルト海で砲撃試験を実施した]

工場航行試験は12月上旬までに完了し、12月17日からは最終洋上試験となる国家試験が始まりました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのカラクルト級小型ロケット艦ブーリャはバルト海で最終洋上試験(国家試験)を開始した]

12月24日には76mm砲による対空射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊向けのカラクルト級小型ロケット艦ブーリャはバルト海で対空砲撃試験を実施した]

翌12月25日には高射ミサイル-機関砲複合体「パーンツィリ-M」から水上目標への射撃試験を行ないました。

国家試験が完了し、その後の最終検査が終われば、ロシア海軍への引き渡し準備が整います。

「ブーリャ」ロシア海軍への引き渡しは2022年12月末に予定されていましたが、12月17日から始まった国家試験が12月中に終わる事は、今までの例からも考えられないので(最低でも1ヶ月程度は掛かる)、おそらくは2023年に延期される事になるでしょう。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦4番艦ブーリャは2022年12月にロシア海軍へ就役する]


なお、同じくバルト艦隊へ配備予定のプロジェクト21631小型ロケット艦「グラード」は、「ブーリャ」よりも早くバルト海で洋上試験を開始しており、こちらは12月末にはロシア海軍へ就役できそうです。
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[ブヤン-M小型ロケット艦グラードはタルーサと改名され、2022年12月末にロシア海軍へ就役する]


プロジェクト22800小型ロケット艦は、リードヤードであるサンクトペテルブルク『ペラ』造船工場で7隻(うち3隻は船体を下請けのフェオドシヤ造船所で建造)、ロシア内陸部ゼレノドリスク『ゴーリキー記念造船工場』で5隻(最初の3隻は下請けのケルチ造船工場ザリフで建造)、極東『アムール造船工場』で4隻の計16隻が起工されており、この内の3隻が就役しています。

[『ペラ』造船工場建造艦]
(工場番号254、255、256は下請けのフェオドシヤ造船工場『モーリェ』で船体を建造)
「ムィティシ」«Мытищи»(工場番号251)
2015年12月24日起工/2017年7月29日進水/2018年12月17日就役
バルト艦隊へ配備(567)

「ソヴィェツク」«Советск»(工場番号252)
2015年12月24日起工/201711月24日進水/2019年10月12日就役
バルト艦隊へ配備(577)

「オジンツォボ」«Одинцово»(工場番号253)
2016年7月29日起工/2018年5月5日進水/2020年11月21日就役
バルト艦隊へ配備(584)

「コゼリスク」«Козельск»(工場番号254)
2016年5月10日起工/2019年10月9日進水

「オホーツク」«Охотск»(工場番号255)
2017年3月17日起工/2019年10月29日進水

「ヴィフリ」«Вихрь»(工場番号256)
2017年12月19日起工/2019年11月13日進水

「ブーリャ」«Буря»(工場番号257)
2016年12月24日起工/2018年10月23日進水/2022年末就役予定
バルト艦隊へ配備予定(578)

[『ゴーリキー記念造船工場』建造艦]
(工場番号801、802、803は下請けのケルチ造船工場『ザリフ』で建造)
「ツィクロン」«Циклон»(工場番号801)
2016年7月26日起工/2020年7月24日進水/2022年就役予定
黒海艦隊へ配備(633)

「アスコリド」«Аскольд»(工場番号802)
2016年11月18日起工/2021年9月21日進水/2023年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

「アムール」«Амур»(工場番号803)
2017年7月30日起工/2022年進水予定/2023年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

「トゥーチャ」«Туча»(工場番号804)
2019年2月26日起工/2022年進水予定/2023年以降就役予定

「タイフーン」«Тайфун»(工場番号805)
2019年9月11日起工/2022年進水予定/2023年以降就役予定

[『アムール造船工場』建造艦]
「ルジェフ」«Ржев»(工場番号201)
2019年7月1日起工/2023年進水予定/2023年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

「ウドムリャ」«Удомля»(工場番号202)
2019年7月1日起工/2023年進水予定/2023年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

「パヴロフスク」«Павловск»(工場番号203)
2020年7月29日起工/2024年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

「ウスリースク」«Уссурийск»(工場番号204)
2019年12月26日起工/2024年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定
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