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ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはダメージコントロール訓練を実施した

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『MASHNEWS』より
2023年1月9日10時28分配信
【掃海艦「アナトーリー・シレモフ」はダメージコントロール訓練を実施した】

太平洋艦隊の為に『中部ネヴァ川造船工場』が建造したプロジェクト12700「アレクサンドリト」掃海艦「アナトーリー・シレモフ」は、ダメージコントロール訓練を滞りなく実施した。
ロシア連邦国防省は発表した。


任務への取り組みの枠組みにおいて、乗組員は緊急事態班を招集し、消防服を身に着け、仮想火災区画を密閉し、穴を塞ぐ為の規範行動を実行した。

「このような業務において、要員は、緊急事態の様々な影響を取り除く行動手順の自動化へ取り組みます」
声明では、こう述べられた。

「アナトーリー・シレモフ」は2019年7月に『中部ネヴァ川造船工場』で起工され、2021年11月26日に進水した。
艦はプロジェクト12700シリーズの7隻目(第6の生産艦)である。

同プロジェクト機雷掃海艦は、真空注入方式による一体ガラス繊維強化プラスチックから作成された世界最大の艦である。
掃海艦は、様々な水中装置を使用して航路の先の機雷を捜索し、無力化する事を含む対機雷防衛の最新技術を装備する。

[『MASHNEWS』参照]
プロジェクト12700
は、ロシア連邦海軍の為に『統合造船業営団』中央海洋設計局『アルマーズ』が開発した。
艦は新世代機雷掃海艦に属しており、新たな対機雷防衛艦は危険地帯へ入る事無く、海上や海底で機雷を探知できる。



ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型の繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


プロジェクト12700の7番艦「アナトーリー・シレモフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2019年7月12日に起工されました。
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[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700掃海艦アナトーリー・シレモフが起工された]

2020年11月初頭までにガラス繊維強化プラスチックの船体の形成はほぼ完了し、11月2日には型枠からの抜き取りが終わりました。

[ロシア海軍の為の第7のプロジェクト12700対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフの船体が形成された]

2021年11月26日に進水しました。

[ロシア海軍の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはサンクトペテルブルクで進水した]

その後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。
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2022年7月末にロシア内陸水路経由で白海への移動を開始しました。
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7月31日にはアルハンゲリスク港へ寄港しました。
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「アナトーリー・シレモフ」(651)は同型艦「ピョートル・イリイチョーフ」(543)と共に北極海(北方海上航路)を横断し、9月10日にチュクチ自治管区ぺヴェクへ寄港しました。
(「ピョートル・イリイチョーフ」は一足遅れて10月7日に寄港)
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフとアナトーリー・シレモフは北極海経由でカムチャツカ半島へ向かっている]

その後、「アナトーリー・シレモフ」は2022年11月3日にウラジオストクへ到着しました。

2022年11月12日、「アナトーリー・シレモフ」ピョートル大帝湾へ出航し、洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で洋上試験を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で洋上試験を続けている]

洋上試験は12月中旬頃に完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新世代非金属複合材料対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはピョートル大帝湾で搭載機器の試験を実施した]

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2022年12月29日、ウラジオストク「アナトーリー・シレモフ」聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ゲネラリーシムス・スヴォーロフ、小型ロケット艦グラード、対機雷防衛艦アナトーリー・シレモフはロシア連海軍へ就役した]

就役後は乗組員の慣熟訓練を行なっています。


プロジェクト12700対機雷防衛艦は現在までに10隻が起工され、7隻が就役しています。

アレクサンドル・オブホフАлександр Обухов(工場番号521)
2011年9月22日起工/2014年6月27日進水/2016年12月9日就役
バルト艦隊へ配備(507)

ゲオルギー・クルバトフГеоргий Курбатов(工場番号522)
2015年4月24日起工/2020年9月30日進水/2021年8月20日就役
黒海艦隊へ配備(464)

イワン・アントノフИван Антонов(工場番号523)
2017年1月25日起工/2018年4月25日進水/2019年1月26日就役
黒海艦隊へ配備(460)

ウラジーミル・イェメリヤノフВладимир Емельянов(工場番号524)
2017年4月20日起工/2019年5月30日進水/2019年12月28日就役
黒海艦隊へ配備(466)

ヤーコフ・バリャーエフЯков Баляев(工場番号525)
2017年12月26日起工/2020年1月29日進水/2020年12月26日就役
太平洋艦隊へ配備(616)

ピョートル・イリイチョーフПётр Ильичев(工場番号526)
2018年7月25日起工/2021年4月28日進水/2022年11月16日就役
太平洋艦隊へ配備(543)

アナトーリー・シレモフАнатолий Шлемов(工場番号527)
2019年7月12日起工/2021年11月26日進水/2022年12月29日就役
太平洋艦隊へ配備(651)

レフ・チェルナヴィンЛев Чернавин(工場番号528)
2020年7月24日起工/2023年就役予定
太平洋艦隊へ配備予定

アファナシー・イワンニコフАфанасий Иванников(工場番号529)
2021年9月9日起工/2023年就役予定
北方艦隊へ配備予定

ポリャールヌイПолярный(工場番号530)
2022年6月12日起工/2024年就役予定
北方艦隊へ配備予定


現在の所、プロジェクト12700対機雷防衛艦は、計12隻の建造が承認されています。
[ロシア海軍の為の新世代掃海艦アレクサンドリト級は12隻が建造される]
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