fc2ブログ

ロシア極東の『ハバロフスク造船工場』は2023年にロシア海軍向けのムレナ級エアクッション揚陸艇の建造契約を締結する

23-0111b.jpg
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2023年1月10日14時56分配信
【ハバロフスクで2023年にエアクッション艇「ムレナ」の生産が再開される】

18-0317d.jpg
『ハバロフスク造船工場』は、近代化プロジェクトによるエアクッション揚陸艇「ムレナ」の建造開始を2023年に計画している。
『ハバロフスクの営み』のインタビューで造船所の主任技師セルゲイ・コロリョーフは述べた。



「私達は、ムレナ型エアクッション揚陸艇を作成する為の技術プロジェクトのワーク・イニシアティブを擁護しています。
これは我々の工場にとっては全くもって独特のプロジェクトであり、我々の前には誰もそれを建造した事は無く、今、それは近代化され、私達は今年に契約への署名を見込んでおります。
私達は、今年にその建造が開始される事を願っております」
コロリョーフ
は話した。

ハバロフスク造船所は、1985年~1992年に8隻の「ムレナ」を建造し、境界線局へ引き渡された。
2005年には、この内の7隻が除籍、廃棄され、ソヴィエト社会主義共和国海軍の為に建造された8隻の内の最後のエアクッション揚陸艇D-143(PSKR-143、工場番号317)は『ハバロフスク造船工場』の作業場で保管されている。
23-0111a.jpg

更に、2002年~2006年には、南朝鮮海軍の為に3隻の輸出プロジェクト「ムレナ-E」艇が建造された。
2018年9月には、2019年~2027年に8隻を建造する計画が発表された。

プロジェクト12061「ムレナ」エアクッション揚陸艇は、無装備の海岸への海上揚陸部隊の上陸の為に意図されたソヴィエト及びロシア高速揚陸艇シリーズである。
は、揚陸部隊の上陸時の火力支援或いは機雷源の設置、自走、牽引、非自走装備の移送を行なう事が出来ると『ロシア通信社ノーボスチ』は指摘した。

「ムレナ」は55ノットまでの速力を発揮し、1両の戦車、2両の歩兵戦闘車或いは130名の揚陸隊員を輸送できる。
艦は2基の30mm自動砲装置AK-306、2基のAGS-17「プラーミャ」擲弾発射機で武装する。

2014年、フランス『ユーロネイヴァル』展示会で、フランスへ発注されたが西側の制裁故にロシアへ受け入れられなかった汎用揚陸艦「ミストラル」型の一部として動作する為に特別に開発された「ムレナ-M」艇の模型が展示された。

パリがモスクワへの「ミストラル」の引き渡しを拒否した後、2020年にケルチ造船工場『ザリフ』で、ロシアプロジェクト23900汎用揚陸艦の最初の2隻「イワン・ロゴフ」「ミトロファン・モスカレンコ」が起工された。




『造船商会アルマーズ』公式サイトより
【プロジェクト12601揚陸艇「ムレナ」】

プロジェクト12601「ムレナ」エアクッション揚陸艇は、1985年から1992年に掛けて8隻が極東『ハバロフスク造船工場』で建造され、太平洋艦隊へ配備されましたが、ソ連邦解体後、搭載艦であるプロジェクト1174大型揚陸艦(イワン・ロゴフ型)の活動停止に伴いロシア沿岸警備隊へ移管され、2004年に全て退役しました。
22-0907j.jpg

[プロジェクト12601]
D-453(工場番号310):1985年11月28日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-458(工場番号311):1987年4月2日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-259(工場番号312):1987年10月9日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-285(工場番号313):1988年就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-447(工場番号314):1989年就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-323(工場番号315):1990年9月27日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-142(工場番号316):1991年就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役
D-143(工場番号317):1992年7月23日就役、1994年11月25日にロシア沿岸警備隊へ移管、2004年退役


2004年~2006年には、大韓民国向けに輸出型のプロジェクト12061E「ムレナ-E」3隻が建造されました。
22-0907i.jpg
【ムレナE型エアクッション揚陸艇(韓国)】
[プロジェクト12061E]
LSF621(工場番号330):2004年4月24日起工/2005年8月19日進水/2005年9月28日就役
LSF622(工場番号331):2004年11月27日起工/2006年9月22日進水/2006年10月15日就役
LSF623(工場番号332):2005年4月23日起工/2006年10月15日進水/2006年12月30日就役



2018年7月末、当時のロシア連邦副首相(ロシア防衛産業統括)ユーリー・ボリソフ氏(現『ロスアトム』総裁)は、『ハバロフスク造船工場』での「ムレナ」建造の可能性に言及しました。
[ロシア海軍のエアクッション揚陸艦艇の建造が極東のハバロフスク造船工場で再開される]

それから4年以上経った2022年9月までに『ハバロフスク造船工場』プロジェクト12601「ムレナ」の設計文書一式を復元しました。
[ロシア極東の『ハバロフスク造船工場』はロシア海軍向けのムレナ級エアクッション揚陸艇を建造する用意がある]

2023年中には「ムレナ」の建造契約が締結されるようです。

今後建造される「ムレナ」は、プロジェクト23900「イワン・ロゴフ」型汎用揚陸ヘリコプター母艦(2020年7月20日に2隻起工)の搭載艇になるようです。
23900a.jpg
23900g.jpg
関連記事
スポンサーサイト