ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコはバレンツ海で戦闘訓練を実施する

『KORABEL.RU』より
2023年1月27日19時21分配信
【大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」はバレンツ海で戦闘訓練任務の遂行へ着手した】
北方艦隊の大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」は、計画戦闘訓練任務を遂行する為にバレンツ海へ入った。
対潜艦の乗組員は、救助曳船「パミール」の乗組員、そして更に北方艦隊の航空・防空軍の艦載ヘリコプターとの協同行動へ取り組む。
それには移動中の艦の甲板からの艦載ヘリコプターの発艦と着艦も含まれるとロシア連邦国防省情報マスコミュニケーション部は発表した。
海上で対潜艦の乗組員は全艦内システム、電波技術機器、通信機器の機能を点検する。
更に当直士官と航海士戦闘部門は、バレンツ海の特定海域での航法の特徴についての知識を点検する。
海上への出航中、対潜艦に加えて救助曳船が含まれる艦船支隊が形成される。
支隊の一員として、合同操艦の要素と、海上移動中の艦船支隊の組織的な保護と防衛の為の大型対潜艦の乗組員の行動へ取り組む。
「アドミラル・レフチェンコ」はプロジェクト1155大型対潜艦である。
対潜ミサイル複合体、噴射推進爆撃装置、魚雷発射管、他の種類の砲及びミサイル兵器で武装する。
近年、北方艦隊の大型対潜艦は、大西洋、地中海での遠距離航海任務の遂行中、そして更には北極の開発に関する問題を解決する為、積極的に使用されている。
プロジェクト1155「フレガート」大型対潜艦(「ウダロイ」型)の6番艦「ハバロフスク」は、1982年1月27日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『A.A.ジダーノフ記念造船工場』(現『北方造船所』)で起工されました。
1982年5月24日に「アドミラル・レフチェンコ」と改名されました。
1985年2月21日に進水し、1988年9月30日に就役しました。


1989年5月1日に北方艦隊へ編入されました。
1990年5月16日から12月15日まで地中海への遠距離航海を行ない、シリアのタルトゥース港を訪れ、アメリカ海軍の航空母艦「サラトガ」を追跡しました。

1992年7月1日にアメリカ海軍の駆逐艦「オブライエン」と合同演習を行ないました。

1993年8月~9月にも地中海への航海を行ない、フランスのトゥーロンを公式訪問しました。

1996年にはグレートブリテンおよびアメリカとの合同演習へ参加し、同年11月には、バルト海から北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動する就役前の重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」をエスコートしました。
[就役前の原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1995~1997年)]
1999年10月から2001年7月まで建造元の『北方造船所』でオーバーホールを行ないました。
バルト艦隊の駆逐艦「ナストーイチヴイ」と共に行動中の「アドミラル・レフチェンコ」(2003年6月28日)

洋上行動中の「アドミラル・レフチェンコ」(2003年10月8日)

2004年春にロスリャコヴォの第82艦船修理工場の浮きドックへ入渠しました。

2004年10月初頭に北海でアメリカ海軍との合同演習『ノーザン・イーグル-2004』へ参加しました。

2005年6月下旬にフランスのブレストを訪問しました。

2005年6月末~7月初頭にイギリスのポーツマスを訪れ、トラファルガー海戦200周年記念行事へ参加しました。


2005年7月中旬にアイスランドのレイキャビクを訪問しました。

2007年12月~2008年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征へ同行しました。

[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月~2008年2月)]
2008年12月~2009年3月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征にも同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第3次地中海遠征(2008年12月~2009年3月)]
しかし途中で「アドミラル・クズネツォフ」と別れ、アデン湾へ向かいました。
[駆逐艦「アドミラル・レフチェンコ」、ソマリア沖へ]
その後は重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と合流し、同艦と行動を共にしました。
[北方艦隊のピョートル・ヴェリキーとアドミラル・レフチェンコは地中海で任務を遂行する]
2010年後半にアデン湾で海賊対処任務に就き、8個船団の51隻の民間船(ギリシャ、エジプト、パナマ船籍)を護送しました。
(2010年6月11日出航、11月30日帰投)
この間、ジブチ、サラーラ(オマーン)、ハーコンスヴァーン(ノルウェー)、セウタ(スペイン)へ寄港しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
【大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」の対海賊当直】
2013年12月~2014年5月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征にも同行しましたが、途中で別行動となりました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-2014年5月)]
「アドミラル・レフチェンコ」はセヴァストーポリを訪れた後、2014年7月初頭に帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは長期航海を終えて母港へ戻った]
2014年9月~10月に北極圏遠征を行ない、ノヴォシビルスク諸島まで進出しました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
この遠征には大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」の他に大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」、給油船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船「パミール」が参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
【2014年9月6日~10月9日の北方艦隊艦船支隊のノヴォシビルスク諸島への航海】
2015年3月の北方艦隊の抜き打ち演習へ参加した後は外洋へ出る事も無くなり、事実上予備役となりました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で救助演習を行なう]
その後、「アドミラル・レフチェンコ」は修理され、艦隊へ復帰する事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコはオーバーホールを行なう]

2021年初頭にスネシュノゴルスクの艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、本格的な修理が始まりました。

2022年5月、「アドミラル・レフチェンコ」は修理後の点検の為にバレンツ海へ出航しました。

[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは修理を終えて現役に復帰した]
2022年6月13日には大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共にバレンツ海で対潜演習を行ないました。
『ロシアビジネスコンサルティング(RBC)』より
2022年6月13日16時31分配信
【北方艦隊はNATOの演習を背景にバレンツ海で演習を実施した】
その後も何度かバレンツ海で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクとアドミラル・レフチェンコはバレンツ海で砲撃戦闘訓練を実施した]
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦セヴェロモルスクとアドミラル・レフチェンコはバレンツ海で海上戦闘訓練を実施した]
2022年7月31日の『ロシア海軍の日』にはセヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。

2022年8月10日にセヴェロモルスク基地を出航し、北極圏への遠距離航海を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は11度目の北極遠征へ出発した]
「アドミラル・レフチェンコ」にとっては2014年以来8年ぶりの北極遠征になります。
8月14日にフランツ・ヨシフ諸島へ到着し、演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊北極遠征部隊はフランツ・ヨシフ諸島へ到着した]
今回の北極遠征は、「アドミラル・レフチェンコ」の修理後の各種試験も兼ねていたようです。
[長期修理を終えたロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは北極圏の演習へ参加する]
8月29日にカルスキエボロタ海峡を通過してカラ海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコはカラ海へ入った]
9月8日にはカラ海で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海で対空戦闘訓練を実施した]
翌9月9日にはカラ海東部で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はカラ海東部で対潜戦闘訓練を実施した]
その後、北極遠征部隊はラプテフ海へ入り、9月12日にはノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島の駐留部隊(第99戦術グループ)との合同演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はノヴォシビルスク諸島で演習を実施した]
その後、ラプテフ海を西進し、9月21日にチェリュスキン岬で海軍歩兵部隊の上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はチェリュスキン岬で上陸演習を実施した]
9月24日、「アドミラル・レフチェンコ」は、宣伝航海に従事していた大型揚陸艦「イワン・グレン」と共にエニセイ川沿いのドゥディンカへ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦イワン・グレンと大型対潜艦アドミラル・レフチェンコはドゥディンカへ到着した]
10月5日、「イワン・グレン」と共にドゥディンカを出航し、10月10日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の北極遠征部隊はセヴェロモルスクへ帰投した]
11月16日にはセヴェロモルスク-1飛行場に駐留するキルケネス赤旗・第830独立艦上対潜ヘリコプター連隊の艦載ヘリコプターKa-27(対潜型と捜索救助型)の発着艦訓練をコラ湾で行ないました。
その後、バレンツ海へ出てKa-27の発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコはコラ湾とバレンツ海で艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行なった]
バレンツ海でKa-27の発着艦訓練や潜水艦捜索訓練などの演習を行なった後、11月19日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコはバレンツ海で戦闘演習を実施した後にセヴェロモルスク基地へ帰投した]
2023年1月27日にバレンツ海へ出航して戦闘訓練を開始しました。
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