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2023年8月の軍事技術フォーラム『アルミヤ-2023』でロシア海軍のプロジェクト22350/22350Mフリゲート6隻の建造契約が締結される

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『タス通信』より
2023年2月2日9時31分配信
【情報筋:フォーラム『アルミヤ-2023』で6隻のフリゲートの建造契約へ署名される】
モスクワ、2月2日/タス通信

ロシア連邦国防省との6隻の大洋ゾーンフリゲートプロジェクト22350及び22350Mシリーズの契約は、フォーラム『アルミヤ-2023』での署名が計画されており、それは『アムール造船工場』が受けるかもしれない。
『タス通信』防衛産業企業体の情報筋より伝えられた。

「フォーラム『アルミヤ-2023』では、6隻のプロジェクト22350及び22350Mフリゲートシリーズの建造契約への軍当局との署名が計画されています」
彼は話した。

彼によると、コルベット小型ロケット艦を建造している『アムール造船工場』(ASZ、『統合造船業営団』へ加入)は、来年には太平洋艦隊の為の新たなタイプの艦~フリゲート~の建造へ着手する準備を整えている。
「これは、6隻の遠海ゾーン艦プロジェクト22350と、近代化ヴァージョン22350Mのシリーズになります」
対談者は話した。

彼は、工場は生産設備の近代化を完了しており、2隻の艦を起工し、建造する為に造船台の作業場を更新している事を指摘した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

[工場と艦について]
『アムール造船工場』
の作業場では、4隻のプロジェクト22800「カラクルト」型小型ロケット艦(「ルジェフ」、「ウドムリャ」「パヴロフスク」「ウスリースク」)と3隻のプロジェクト20380コルベット(「リェーズキー」「グローズヌイ」「ブラーヴイ」)を建造している。
コルベット「ブーイヌイ」「ブイストルイ」更新プロジェクト20385として建造されている。
2020年に国防省と署名した契約に沿って、同社はこのプロジェクト(20385)を4隻建造する。

防衛産業企業体の情報筋は『タス通信』へ、プロジェクト22350Mフリゲートのトップの起工は、2023年に新たな造船台が稼働へ入る『北方造船所』で計画されていると伝えた。
12隻の近代化プロジェクト22350Mの建造が計画されており、各艦は48基の有翼ミサイル「カリブル」「オーニクス」「ツィルコン」を搭載する。
新たなフリゲートには、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」対潜兵器及び魚雷兵器の装備が予定されている。



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1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、サンクトペテルブルク『北方造船所』で8隻が起工されており、この内2隻がロシア海軍へ引き渡され、もう1隻が艤装中です。

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Горшков»(工場番号921)
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2006年2月1日起工/2010年10月29日進水/2018年7月28日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号454)

「アドミラル・フロータ・カサトノフ」«Адмирал флота Касатонов»(工場番号922)
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2009年11月26日起工/2014年12月12日進水/2020年7月21日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号461)

「アドミラル・ゴロフコ」«Адмирал Головко»(工場番号923)
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2012年2月1日起工/2020年5月22日進水/2023年就役予定
北方艦隊へ配備予定

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Исаков»(工場番号924)
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2013年11月14日起工/2023年以降就役予定

「アドミラル・アメリコ」«Адмирал Амелько»(工場番号925)
2019年4月23日起工/2024年就役予定

「アドミラル・チチャーゴフ」«Адмирал Чичагов»(工場番号926)
2019年4月23日起工/2025年就役予定

「アドミラル・ユマシェフ」«Адмирал Юмашев»(工場番号927)
2020年7月20日起工/2025年就役予定

「アドミラル・スピリドノフ」«Адмирал Спиридонов»(工場番号928)
2020年7月20日起工/2026年就役予定


5番艦(「アドミラル・アメリコ」)以降は巡航ミサイルの搭載数を増加した改正型となります。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲートの後期建造艦(5番艦以降)は32基の巡航ミサイル(対艦ミサイル)を搭載する]

9番艦と10番艦の起工も予定されています。
[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート10番艦は「アドミラル・ヴィソツキー」と命名される]


その後は拡大発展型のプロジェクト22350Mフリゲートの建造へと移行します。
[ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の排水量は9000~10000トンに増加する]


そして非公式筋の情報ですが、2023年8月14日~20日にモスクワ州クビンカ『愛国者公園』での開催が予定されている軍事技術フォーラム『アルミヤ-2023』で、6隻のプロジェクト22350及び22350Mフリゲートの建造契約への署名が予定されている事が明らかにされました。

これまで22350フリゲート『北方造船所』のみで建造されてきましたが、この契約は、ロシア極東コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』が受注する可能性が高いようです。
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プロジェクト20380/20385コルベットも当初は『北方造船所』で建造されていましたが、後に『アムール造船工場』へ建造が移管されていますから、『アムール造船工場』22350フリゲートを建造するのは、それほど非現実的な話とは言えないでしょう。
[コムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』はロシア海軍向けのアドミラル・ゴルシコフ型フリゲートを建造する用意がある]

22350(満載排水量5400トン)はさておき、その拡大型22350Mは満載排水量10000トン級の艦になる可能性も有りますが、これまでに『アムール造船工場』が建造した最大の水上艦は満載排水量10040トン、全長191.2メートル、幅17.7メートルのプロジェクト26-bis巡洋艦(「カリーニン」、「カガノヴィチ」)ですから、大体同サイズの22350Mの建造自体は不可能では無いでしょう。
(この他の大型艦としては、1980年代以降には水中排水量10500トンのプロジェクト971原子力巡洋潜水艦を建造)

巡洋艦「カリーニン」(1942年12月31日就役、1963年4月12日除籍)
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巡洋艦「カガノヴィチ」(1947年2月8日就役、1964年除籍)
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プロジェクト26-bis巡洋艦『アムール造船工場』(当時は第199工場)で進水した後にウラジオストクへ回航して最終艤装を行なってから就役していますが、仮に同社で22350Mフリゲートを建造する事になれば、同じパターンになるでしょう。
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第199工場(『アムール造船工場』)で進水後にウラジオストクへ向かう巡洋艦「カガノヴィチ」(1944年8月)
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ただ、この建造契約が『北方造船所』と締結される、或いは22350の契約は『アムール造船工場』22350Mの契約は『北方造船所』と締結されるという可能性も有りますが・・・
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