ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)は射程400kmの超長距離艦対空ミサイルを装備する

『タス通信』より
2023年2月3日9時6分配信
【ロシアのプロジェクト22350Mフリゲートは超長距離高射ミサイルを装備する】
モスクワ、2月3日/タス通信
近代化されたプロジェクト22350Mフリゲートは艦載高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」を装備し、射程400キロメートルの超遠距離高射誘導ミサイルを得る。
『タス通信』は防衛産業企業体に近い情報筋から伝えられた。
「改善プロジェクト22350Mフリゲートへ設置される複合体ポリメント-リドゥートは、中距離及び長距離高射誘導ミサイルに加えて更に、最大距離400キロメートルの空中目標を攻撃する重超遠距離ミサイルを受け取ります」
対談者は話し、現在、「ポリメント-リドゥート」は攻撃距離150キロメートルのミサイルを使用できる事を想い起こした。
彼によると、空中目標の迎撃距離がほぼ3倍になった事により、ロシアのフリゲートはNATOの遠距離電波位置測定探知・管制航空機(早期警戒管制機)を攻撃し、中距離及び短距離の高射誘導ミサイルを使用して、より効果的な対空防衛の組織が可能となる。
対談者は、遠距離高射誘導ミサイルは、同プロジェクトフリゲートへ設置される汎用艦載射撃複合体(UKSK)3S14のセルから発射される事を指摘した。

プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」には、16基のミサイル用の2組のUKSKが配置されている。
「アドミラル・アメリコ」(プロジェクト22350の5番艦)からは、各々が8基のミサイル収納を考慮した複合体が初めて4基設置される。
近代化プロジェクト22350Mフリゲートは6組~48基のミサイルが搭載される。
『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
以前、防衛産業企業体の情報筋は『タス通信』へ、プロジェクト22350Mフリゲートのトップの起工は、2023年に新たな造船台が稼働へ入る『北方造船所』で計画されていると伝えた。
合計12隻の近代化プロジェクト22350Mの建造が計画されている。
更に『タス通信』は、フォーラム『アルミヤ-2023』で6隻のプロジェクト22350及び22350Mフリゲートシリーズの建造契約への軍当局との署名が計画されていると伝えた。

1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』で8隻が起工されており、この内2隻がロシア海軍へ引き渡され、もう1隻が艤装中です。
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Горшков»(工場番号921)

2006年2月1日起工/2010年10月29日進水/2018年7月28日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号454)
「アドミラル・フロータ・カサトノフ」«Адмирал флота Касатонов»(工場番号922)

2009年11月26日起工/2014年12月12日進水/2020年7月21日就役
北方艦隊へ配備(舷側番号461)
「アドミラル・ゴロフコ」«Адмирал Головко»(工場番号923)

2012年2月1日起工/2020年5月22日進水/2023年就役予定
北方艦隊へ配備予定
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」
«Адмирал флота Советского Союза Исаков»(工場番号924)

2013年11月14日起工/2023年以降就役予定
「アドミラル・アメリコ」«Адмирал Амелько»(工場番号925)
2019年4月23日起工/2024年就役予定
「アドミラル・チチャーゴフ」«Адмирал Чичагов»(工場番号926)
2019年4月23日起工/2025年就役予定
「アドミラル・ユマシェフ」«Адмирал Юмашев»(工場番号927)
2020年7月20日起工/2025年就役予定
「アドミラル・スピリドノフ」«Адмирал Спиридонов»(工場番号928)
2020年7月20日起工/2026年就役予定
5番艦(「アドミラル・アメリコ」)以降は巡航ミサイルの搭載数を増加した改正型となります。
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲートの後期建造艦(5番艦以降)は32基の巡航ミサイル(対艦ミサイル)を搭載する]
9番艦と10番艦の起工も予定されています。
[ロシア海軍のプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート10番艦は「アドミラル・ヴィソツキー」と命名される]
その後は拡大発展型のプロジェクト22350Mフリゲートの建造へと移行します。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)の拡大発展型となるロシア海軍の次世代フリゲートの開発は進められている]
2018年12月25日、『北方計画設計局』は、プロジェクト22350Mフリゲートの大まかな概要を決める草案設計の契約へ署名し、作業が始まりました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22350Mフリゲート(改アドミラル・ゴルシコフ型)の草案設計の契約が締結された]
草案設計作業は2019年11月末に完了しました。
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の草案設計は完了した]
当初、プロジェクト22350Mの排水量は6500トン~約8000トン程度になる筈でした。
[ロシア海軍の将来フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の排水量は6500トンになる]
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(改アドミラル・ゴルシコフ型)の排水量は約8000トンになる]
しかし、その後に設計変更され、プロジェクト22350Mの設計をサポートする『クルイロフ研究センター』での水槽実験の結果、9000トン~10000トン級に拡大される事になりました。
これはロシア海軍の将来駆逐艦(リデル)の初期設計案に相当します。
1隻辺りの建造費も350億~450億ルーブルに増加するようです。
[ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の排水量は9000~10000トンに増加する]
プロジェクト22350Mの巡航ミサイル(対地/対艦ミサイル)の搭載数は少なくとも48基になり、ベースとなった22350の3倍になります。
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(改アドミラル・ゴルシコフ型)は48基の巡航ミサイルを搭載する]
高射ミサイル(艦対空ミサイル)も22350と基本的には同じ「ポリメント-リドゥート」となりますが、射程400キロメートルの超遠距離対空ミサイル(40N6?)が追加されます。
ただし、このミサイルは大型になる為、「ポリメント-リドゥート」垂直発射機ではなく、汎用巡航ミサイル垂直発射機3S14(カリブル/オーニクス/ツィルコン/オトヴェート共用)を使う事になるようです。
2023年8月14日~20日にモスクワ州クビンカの『愛国者公園』での開催が予定されている軍事技術フォーラム『アルミヤ-2023』で、6隻のプロジェクト22350及び22350Mフリゲートの建造契約への署名が予定されています。
[2023年8月の軍事技術フォーラム『アルミヤ-2023』でロシア海軍のプロジェクト22350/22350Mフリゲート6隻の建造契約が締結される]
- 関連記事
-
- ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M超ゴルシコフ型)は駆逐艦/軽巡洋艦の役割を果たす
- ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)は射程400kmの超長距離艦対空ミサイルを装備する
- ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の排水量は9000~10000トンに増加する
- ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の1番艦の具体的な起工時期は未だ決まっていない
- ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の1番艦は2023年に起工される
スポンサーサイト