近代化改装されるロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2023年に洋上試験を開始する

『タス通信』より
2023年3月3日18時14分配信
【ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は2023年に試験へ入る】
モスクワ、3月3日/タス通信
プロジェクト11442M原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は、『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)での修理と近代化の後、2023年に試験へ入る。
同社のトップ、ミハイル・ブドニチェンコは述べた。
「来たる年(2023年)は、巡洋艦の生涯で重要なものとなります。
私達は乗組員が居住し、新たな段階~艦の試験~へ入る為、居住区と船室を形成し、仕上げなければなりません」
彼は同社の年次刊行物(『タス通信』が入手可能な)で話した。
彼は指摘した。
「プロジェクト11442M水上艦の修理と近代化にも明らかな進歩が有ります」
彼によると、巡洋艦は艤装岸壁に居る。
「今年(2022年)にはシステム、機器、複合体が艦へ据え付けられました。
プロジェクトの実行には、150を超える供給社などの大規模な企業協力が関わっています。
物流、パートナー企業の地理条件は複雑です。
ですが、艦上での作業に注目いたしますと、全ては海軍と合意したスケジュールにより実行されています」
ブドニチェンコは話した。
1月18日、同社広報サービスは、『セヴマシュ』は巡洋艦への電力と燃料の供給に着手したと発表した。
当初の契約によると、艦は2022年に海軍へ引き渡されなければならなかった。
2021年にそれは試験へ入らなければならなかった。
巡洋艦は1999年から修理中である。
実際の作業は2013年春から行なわれている。
近代化の主な結果は、巡洋艦の打撃力の著しい増加に在る。
特に、各々が8基の有翼ミサイル「カリブル-NK」/「オーニクス」の汎用艦載射撃複合体10基を搭載する。
将来的には極超音速ミサイル「ツィルコン」を得る。

プロジェクト1144/11442重原子力ロケット巡洋艦の3番艦「カリーニン」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の『バルト工場』で1983年5月17日に起工され、1986年4月25日に進水し、1988年12月30日にソヴィエト連邦海軍へ納入されました。
1989年4月25日に赤旗北方艦隊へ編入されました。
1989年と1991年に地中海へ派遣されました。

1992年4月22日付で「アドミラル・ナヒーモフ」と改名されました。

1999年8月にオーバーホールの為、セヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』造船所へ回航されましたが、実際には殆ど作業は行なわれず(核燃料が撤去された程度)、岸壁に係留されていました。

近代化改装の為の契約は2013年6月に締結され、以後、近代化改装工事が行なわれています。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の契約が締結された]

2014年10月24日に『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)へ入渠しました。

[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはセヴマシュ造船所の屋外ドックへ入渠した]
近代化改装に当たり、「アドミラル・ナヒーモフ」は兵装やレーダー等を含む古い各種機器を撤去、解体しました。
[重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの古い各種機器の解体・撤去は2015年中に完了する]
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの機器の解体・撤去作業は完了した]
タービンエンジンはメーカー(サンクトペテルブルクの『キーロフ・エネルゴマシュ』工場)へ送られ、修復されました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフのタービンエンジンの修復が開始された]
「アドミラル・ナヒーモフ」へ設置される新たな各種機器(兵装)も発注されました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな兵器調達]
「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装の為、『セヴマシュ』は新たなガントリークレーン「ヴィーチャズィ」を導入しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の為の新たな大型クレーンが導入された]
「アドミラル・ナヒーモフ」は近代化改装により新たな情報管理システムが装備されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装により新たな情報管理システムを受け取る]
2017年から大型機器の設置が始まりました。

[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2017年に大型機器の設置を開始する]

近代化される「アドミラル・ナヒーモフ」には、遠距離高射ミサイル複合体「フォルト-M」、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」、そして超音速対艦ミサイル「オーニクス」及び打撃有翼ミサイル「カリブル」を発射できる汎用ミサイル垂直発射機3S-14、対潜/対魚雷複合体「パケート-NK」、対潜ミサイル複合体「オトヴェート」などが装備されます。
つまり、搭載兵器はロシア海軍の新世代水上艦と同等になります。
[近代化改装される重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフはロシア海軍の新世代水上艦と同じ兵装を得る]
2020年3月末から、以前にメーカー修理へ出したタービンエンジンの取り付けが始まりました。
[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは修復されたタービンエンジンを設置する]

2020年8月18日、「アドミラル・ナヒーモフ」は『セヴマシュ』の屋外ドック(貯水池)から再進水し、同社の艤装岸壁へ移動しました。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは屋外ドックから再進水した]
その後、兵装の取り付け作業が始まりました。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフへの兵装の取り付けが始まる]
「アドミラル・ナヒーモフ」の新たな乗組員チームは、北方艦隊のみならず他の艦隊(バルト艦隊、黒海艦隊、太平洋艦隊)からも集められ、2022年末までには訓練が始まります。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの乗組員の形成が始まる]
2023年1月には「アドミラル・ナヒーモフ」への燃料(核燃料)の積載と艦内への電力供給が始まりました。
[近代化改装中のロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは核燃料を搭載する]
「アドミラル・ナヒーモフ」は2023年から洋上試験を開始します。
[近代化改装されるロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは試験を準備する]

兵装や電子機器類の殆ど全てを入れ替える「アドミラル・ナヒーモフ」の近代化改装は、当初は2018年末~2019年前半頃に完了すると伝えられましたが、その後、2020年末、2021年末、2022年、2023年と何度も延期されてきました。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2022年に完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装の完了は2023年に延期される]
そして現在、「アドミラル・ナヒーモフ」のロシア海軍への復帰は2024年に予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフの近代化改装は2024年に完了する]
近代化された「アドミラル・ナヒーモフ」は、30~40年に渡り現役に留まります。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは近代化改装を終えた後、30-40年間に渡り現役に留まる]
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