ロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ステレグーシチー」は近代化改装により巡航ミサイル「カリブル」と艦対空ミサイル「リドゥート」を装備する

『タス通信』より
2023年3月7日9時11分配信
【コルベット「ステレグーシチー」は近代化の過程で複合体「カリブル」と「リドゥート」を得る】
モスクワ、3月7日/タス通信
プロジェクト20380多目的コルベットのトップ「ステレグーシチー」は、『クロンシュタット海洋工場』(KMZ、『統合造船業営団』へ加入)における高度な近代化の過程で、新たな打撃ミサイル複合体「カリブル-NK」を受け取り、対空防衛複合体「ポリメント-リドゥート」により強化され、そして更に主動力装置を更新する。
『タス通信』は造船業界の情報筋より伝えられた。


「コルベット"ステレグーシチー"は、大規模修理と近代化を行なう為に『クロンシュタット海洋工場』へ受け入れられています。
これにより艦は打撃ミサイル複合体と主動力装置を更新します」
対談者は話した。
彼によると、コルベットのトップの戦闘力は著しく強化される。
「艦はミサイル複合体ウランに代わり、ミサイル"カリブル-NK"の為の汎用艦載射撃複合体を受け取ります。
艦の対空防衛システムも強化されます~高射ミサイル-砲複合体コールチク-Mは、16基の発射セルを持つ艦載複合体9K96ポリメント-リドゥートと交換されます」
彼は話した。
『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
[艦について]
コルベットは、1904年2月26日に日本の優勢な部隊との戦闘で沈没した駆逐艦「ステレグーシチー」に敬意を表して命名された。
艦は、中央海洋設計局『アルマーズ』により開発されたプロジェクトにより『北方造船所』で建造された。
2007年11月20日にバルト艦隊へ引き渡された。
プロジェクトのトップ艦は、水上目標を撃破する為に対艦複合体「ウラン」を、空中及び水上目標に対しては、複合体「コールチク」と携帯高射ミサイル複合体「イグラ」を有する。


コルベットプロジェクトの2隻目となる「ソーブラジテルヌイ」からはプロジェクトに個別の変更が加えられている。
『クロンシュタット海洋工場』は3月4日に創業165周年を迎えた。
「蒸気艦隊の修復」の為に考案された工場は、幾年にも渡り様々な用途の10000隻以上の艦船の準備状態を回復してきた。
その中には、最初の国産装甲艦、最初の航洋駆逐艦「ヴズルイフ」、巡洋艦「アヴローラ」、「ワリャーグ」、戦列艦「セヴァストーポリ」、「オクチャーブリスカヤ・レヴォリューツィヤ」、「ノヴィーク」型駆逐艦、潜水艦、砕氷船「エルマーク」、「クラシン」、その他大勢が有った。

ソヴィエト連邦解体後のロシア連邦海軍の最初の新世代水上戦闘艦となるプロジェクト20380コルベットの1番艦「ステレグーシチー」は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』で2001年12月21日に起工され、2006年5月16日に進水し、2007年11月14日にロシア海軍へ納入され、2008年2月27日にロシア海軍旗(聖アンドレイ旗)初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
[新型コルベット「ステレグーシチー」はロシア海軍へ納入された]
[ロシア最新鋭ステルス・コルベット「ステレグーシチー」、バルト艦隊編入]
プロジェクト20380コルベットは、新開発の高射ミサイル複合体「リドゥート」の装備が予定されていましたが、1番艦「ステレグーシチー」には間に合わなかった為、代わりに高射ミサイル-機関砲複合体「コールチク-M」を装備しました。
(「リドゥート」は2番艦「ソーブラジテルヌイ」以降に装備)
「ステレグーシチー」
(艦首100mm単装砲の後ろに「コールチク-M」を装備)

「ソーブラジテルヌイ」
(艦首100mm単装砲の後ろに「リドゥート」垂直発射機12セルを装備)

2009年6月上旬にバルト海でインド海軍と合同演習を行ないました。
[ロシア海軍最新コルベット「ステレグーシチー」、インド海軍と合同演習]
2009年9月下旬にロシア西方で実施されたロシア連邦軍とベラルーシ軍の合同戦略演習『ザーパド-2009』へ参加しました。
[実地戦略演習「ザーパド-2009」と「ラドガ-2009」(2009年9月)]
2009年11月下旬にはバルト海でフランス海軍の指揮・戦力投射艦「ミストラル」との合同演習へ参加しました。
[強襲揚陸艦「ミストラル」は、ロシアのヘリコプターが参加する機動演習を行なう]
2008年2月の就役以来、バルト海でのみ行動していた「ステレグーシチー」でしたが、2013年6月~7月に初めてバルト海を出て、ロシア・アメリカ・イギリス・フランスの4ヶ国海軍合同演習『FRUKS-2013』へ参加する為にフランスを訪問しました。
(2013年6月14日にバルチースクを出航し、7月15日に帰港)
[コルベット「ステレグーシチー」は遠距離航海から戻った]
この間にブレスト(フランス)、デン・ヘルダー(ネーデルラント)、ゼーブルッヘ(ベルギー)、ストックホルム(スウェーデン)を訪問しました。
2014年4月25日には、他の同型艦と共にバルト海で対艦ミサイルを一斉発射しました。
[3隻のステレグーシチー型コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]
2015年4月中旬には他の同型艦3隻と共にバルト海で演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のプロジェクト20380コルベットは4隻揃って演習に参加した]
2015年2月初頭から3月20日までカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所でオーバーホールを行ないました。
[ロシア海軍新世代コルベット1番艦ステレグーシチーはオーバーホールを終えた]
「ステレグーシチー」の舷側番号は就役前の洋上試験時から「530」でしたが、2016年以降は「550」に変更されました。


2017年6月4日、同型艦「ボイキー」と共にバルチースクを出航し、6月8日にカテガット海峡へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベット"ボイキー"と"ステレグーシチー"は大西洋へ向かった]
6月9日までにスカゲラク海峡を通過し、北海へ出ました。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベット"ボイキー"と"ステレグーシチー"は北海へ入った]

その後、北海で各種戦闘訓練を行なった後、6月15日までにスカゲラク海峡とカテガット海峡を通過し、バルト海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベット"ボイキー"と"ステレグーシチー"は北海での戦闘演習を終えてバルト海へ戻った]
2017年7月下旬にバルト海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2017』第1段階へ参加しました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2017』第1段階はバルト海で実施された]
2017年7月30日の『ロシア海軍の日』の「ステレグーシチー」(バルチースク)

2019年2月27日に就役11周年を迎えました。
[ロシア海軍のプロジェクト20380コルベット1番艦ステレグーシチーは就役11周年を迎えた]
2019年8月上旬にバルト海で実施されたロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]
2020年3月初頭、同型艦「ソーブラジテルヌイ」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"と"ソーブラジテルヌイ"は北東大西洋で演習を行なった]
その後も北海に滞在して演習を行なっていました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"と"ソーブラジテルヌイ"は北海で演習を行なった]
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦2隻は北海で演習を行なった]
中型海洋給油船「レナ」(1966年12月28日就役)も北海へ進出し、バルト艦隊の水上艦へ洋上補給を行ないました。

「ステレグーシチー」は英仏海峡付近まで進出しました。

その後、「ステレグーシチー」は「ソーブラジテルヌイ」と別れ、「レナ」と共に帰路へ就きました。
2隻は3月26日にバルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"は北海からバルチースクへ帰投した]
2020年8月にはロシア海軍演習『大洋の盾-2020』へ参加し、他のバルト艦隊所属艦と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新鋭水上戦闘艦6隻は北海でミサイル発射訓練を行なった]
そして2020年11月中旬に北海へ進出し、戦闘演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"は北海で戦闘演習を行なった]
その後も北海に滞在していましたが、同型艦「ボイキー」(2013年5月16日就役)と合流して2020年12月9日に母港バルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と"ステレグーシチー"は北東大西洋での行動後に母港バルチースクへ帰投した]
その後、オーバーホールと近代化改装を行なう為、『クロンシュタット海洋工場』へ回航されました。
近代化改装により「ステレグーシチー」は対艦ミサイル「ウラン」4連装発射筒2基を巡航ミサイル「カリブル」垂直発射機(8セル)に、高射ミサイル-機関砲複合体「コールチク-M」を高射ミサイル複合体「リドゥート」垂直発射機16セルに換装します。


つまり、20380の武装強化型であるプロジェクト20385コルベット(「グレミャーシチー」型)に準じた仕様になるようです。

[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]
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