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ロシア黒海艦隊司令官は今後の見通しについて語った

2013年4月29日、ロシア黒海艦隊司令官アレクサンドル・フェドテンコフ中将の記者会見が行なわれました。
フェドテンコフ司令官は、今後の黒海艦隊の見通しについて色々と語りました。
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『イタル-タス』より
2013年4月29日10時00分配信
【ロシア黒海艦隊は、20隻の新たな艦艇を受領する】
モスクワ、4月29日/イタル-タス

ロシア黒海艦隊は国家の安全保障を確保する為に更新並びに改善され、近い将来、20隻の新たな水上艦、潜水艦、戦闘艇を受領するだろう。
今日(4月29日)、黒海艦隊司令官アレクサンドル・フェドテンコフ中将は、来たる5月13日の艦隊創設230周年に関し、記者団に語った。

「黒海諸国及び地中海諸国の海軍が大幅に数を減らすことなく戦闘武装手段の質的改善を図り、常時戦闘能力を構築しているという特徴を考慮すれば、これは客観的かつ極めて重要なプロセスです。
今後10年間は、黒海エリア諸国が自国海軍の為の戦闘艦及び補助船を多数建造する計画を有しています。
僕達は、信頼出来る国家安全保障の確保の為、出遅れたままでいるわけには行きません」

司令官は話した。

彼によると、2013年に進水し、そして2014年には最新警備艦プロジェクト11356「アドミラル・グリゴロヴィチ」黒海艦隊の戦闘編制へ加入しなければならない。
「これは、6隻から成る同プロジェクト警備艦シリーズの最初の艦であり、高精度有翼ミサイル艦載複合体カリブルを装備します。
これらの艦は、アドミラル・エッセン、アドミラル・マカロフ、アドミラル・ブタコフ、アドミラル・イストミン、アドミラル・コルニーロフと命名されます」

フェドテンコフは指摘した。

彼は、黒海艦隊は更に6隻の新たなプロジェクト636「ワルシャワンカ」級潜水艦を取得する予定であると伝達した。
「最初の3隻はノヴォロシースク、ロストフ-ナ-ドヌー、スタールイ・オスコルと命名されます」
中将は説明し、黒海艦隊の編制には、更に、様々な用途の戦闘艇7隻と、その他の艦が加入すると付け加えた。

2012年2月、フェドテンコフ黒海艦隊の戦闘編制には2017年までに6隻のプロジェクト636潜水艦が加入すると表明した。
「黒海艦隊潜水艦旅団を完全に形成する為、僕達は2014年に最初の3隻を、2015年に1隻、2016年に2隻を取得します」
司令官は話し、その後に全ての潜水艦はサンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」で起工される事を想い起した。
現時点で黒海艦隊には、2隻の潜水艦:プロジェクト877V「アルローサ」プロジェクト641B「聖ゲオルギー公」が有る。
新たな潜水艦セヴァストーポリノヴォロシースクに配備されるだろう。
ノヴォロシースク基地では係留フロントを割り当てられる。
司令官は、黒海艦隊の新たな潜水艦ウクライナへ到着した後、ロシア艦隊ウクライナ領配置の為の基本協定の追加合意へ署名されると指摘した。

更にフェドテンコフは、黒海艦隊司令部海軍総司令部へ、新たなプロジェクト21630小型砲艦黒海艦隊の戦闘編制への加入に関する問題を検討する為の人材と資材の配分の運用課題について提案していると伝えた。
「担当ゾーンにおいて作戦モードを維持する事により、任務遂行の効率性が向上します。
駐留所における機雷対策保障の為の新たな海洋及び泊地掃海艦が艦隊の戦闘編制に必要です。
黒海艦隊の編制をバランスのとれたものへ調整する事により、僕達は複雑な任務を遂行する為の汎用兵種間グループを形成する事が出来ます」

司令官は話した。

彼によると、黒海艦隊海洋航空隊「大幅な」更新を計画している。
具体的には、爆撃機Su-24Mの取得である。
「艦隊航空隊は、航続距離が増加したSu-24Mを受領し、攻撃航空隊の打撃手段使用範囲は増加します。
2020年の艦隊航空隊の能力は、2012年当時と比較して約2.5-3倍に増大するでしょう」

彼は指摘した。
対潜航空隊、捜索救助隊、軍用輸送機隊も発展する。

黒海艦隊沿岸軍の発展の見通しについてフェドテンコフは、近い将来、その軍用車両の更新プロセスを開始すると発表した。
「品質が向上した技術が用いられ、組織には新規並びに近代化されたモデルが提供されます。
部隊の発展は、2020年までに沿岸軍へのグループ作成を提供し、インフラストラクチュアの開発及び最新基地システムの作成は、黒海艦隊が直面する任務遂行の即応性及び質的向上を保障します」

司令官は話した。

彼は、230周年を迎える黒海艦隊の戦闘訓練及び活動に関する「具体的な」成果について言った。
2012-2013年度に、黒海艦隊の艦船は17回の戦闘勤務を実施した。
12ヶ月間の合計で艦隊の航海距離は52500海里となり、海洋での部隊活動日数は延べ650日を超えた。
「黒海艦隊は、地中海における常時の存在を実質的に回復いたしました」
フェドテンコフは強調した。

彼によると、黒海艦隊の艦艇及び沿岸部隊は1年間で約300回の戦闘演習を実施し、2回の有翼ミサイル発射及び約30回の高射ミサイル発射、170回の砲射撃を行ない、艦船は約60回の年度任務を果たし、6度の合同部隊演習を実施した。
年度末に黒海艦隊の艇乗員と高射砲手は、ロシア海軍総司令官から2つの最優秀賞を受賞した。


記事中で触れられていますが、ロシア黒海艦隊向けの新造フリゲート(警備艦)及び潜水艦の1番艦は、2014年に引き渡される予定です。
[ロシア黒海艦隊は2014年に新造艦を受領する]

プロジェクト11356警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は2014年就役予定です。
[フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の建造は計画通りに進んでいる]

プロジェクト11356有翼ミサイル「カリブル」を搭載します。
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートの為のカリブル発射機が製造される]

プロジェクト03636潜水艦「ノヴォロシースク」も2014年就役予定です。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクは2013年に進水する]

2012年2月、フェドテンコフ司令官は、2017年初頭までにプロジェクト03636潜水艦6隻が黒海艦隊に勢揃いすると述べています。
[ロシア黒海艦隊は2017年に7隻の潜水艦を有する]


今回の記者会見でフェドテンコフ司令官は黒海艦隊海軍航空隊の今後についても述べています。

記事中でフェドテンコフ中将は「Su-24M」と言っていますが、より正確には、2001年に初飛行した更なる近代化型Su-24M2を指しています。
(Su-24Mは1976年に初飛行したSu-24の後期生産型)
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現在、黒海艦隊航空隊には18機程度の前線爆撃機Su-24Mが配備されておりますが、これをSu-24M2仕様にアップグレードするという事でしょう。
[ロシア黒海艦隊航空隊の統合航空基地が開設された]
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更に今回の記者会見では、黒海艦隊向けにプロジェクト21630小型砲艦の配備を望んでいる事が明らかにされました。
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プロジェクト21630カスピ小艦隊向けに3隻が建造され、3番艦「マハチカラ」は2013年3月2日に就役しました。
[小型砲艦マハチカラ就役]

現在の所、4番艦以降は起工されていませんが、フェドテンコフ中将は黒海艦隊にも21630が欲しいようです。


2007年8月3日、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・マソリン提督は
「ロシアは地中海で再び海軍の存在を示さなければならない」と発言しました。
[ロシア海軍は、再び地中海に存在を示さなければならない]

あれから約6年の歳月が流れ、マソリン提督の望みは、ほぼ達成されました。
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