ロシア海軍黒海艦隊の中型偵察艦イワン・フルスはボスポラス海峡北方海域でウクライナ軍の小型無人艇の攻撃を撃退した

『ユーラシアダイアリー』より
2023年5月24日10時6分配信
【正体不明の無人機がボスポラス海峡でロシアの最新偵察艦「イワン・フルス」を攻撃した】
本日未明、ロシアのプロジェクト18280偵察艦「イワン・フルス」は、ボスポラス海峡付近を通行中、3機の海上無人機に攻撃された。
つい今しがたロシアの権威あるテレビ局『ルイバリ』(漁師)は伝えた。
無人機による攻撃は、ボスポラス海峡の北方40海里を通行した後、5時30分(モスクワ時間)に発生した。
攻撃は成功裏に撃退された。
最初の報告によると、艦に損傷は無かった。
「イワン・フルス」はプロジェクト18280通信船(偵察艦)の最初の生産艦である。
ロシア連邦黒海艦隊の一員である。
通信及び艦隊統制の提供、電波偵察及び電波電子戦闘の実施、アメリカの対ミサイル防衛システムのコンポーネントの追跡などの課題を解決する。
艦の機器は、幅広い周波数の無線信号を探知し、その発信源の位置の特定を可能にする。
『タス通信』より
2023年5月24日22時52分配信
【国防省は軍艦「イワン・フルス」へのウクライナ無人機の攻撃について発表した】
モスクワ、5月24日/タス通信
ロシア連邦海軍の軍艦「イワン・フルス」の乗組員は、トルコの排他的経済水域のボスポラス海峡付近で水上無人機の攻撃を成功裏に撃退した。
水曜日、ロシア連邦国防省公式代理人イーゴリ・コナシェンコフ中将は発表した。
「2022年9月26日の"ノルド・ストリーム-1"及び"ノルド・ストリーム-2"へのテロ攻撃の後、ロシア連邦軍は、このような施設を防護する為の措置を講じております。
そして、それは無駄では有りませんでした。
本日(5月24日)5時30分、ウクライナ軍は、トルコ共和国の排他的経済水域内にあるガスパイプライン"トルコストリーム"及び"ブルーストリーム"の運用の安全を保障する任務を遂行していた黒海艦隊の軍艦イワン・フルスへ3隻の無人高速艇による攻撃を試みましたが、失敗しました」
コナシェンコフは語った。

「敵の全ての艇は、ボスポラス海峡の北東140キロメートルに居たロシア艦の標準兵装による射撃により破壊されました」
彼は話し、「イワン・フルス」は引き続き割り当てられた任務を遂行すると付け加えた。
中型偵察艦「イワン・フルス」は、プロジェクト18280の下でサンクトペテルブルクの造船工場『北方造船所』で建造された。
艦名は、ソヴィエト社会主義共和国連邦海軍参謀部情報管理総局長イワン・クジミチ・フルスに敬意を表して命名された。
プロジェクトの最初の生産艦となった。
2018年6月に黒海艦隊へ加入した。
プロジェクト18280艦の主な任務は、通信及び艦隊統制の提供、電波偵察及び電波電子戦闘の実施、他国の対ミサイル防衛システムの追跡である。
「イワン・フルス」は、2019年4月には黒海エリアへ進入したアメリカ合衆国の駆逐艦「ロス」の行動を監視した。
プロジェクト18280中型偵察艦の2番艦「イワン・フルス」は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』で2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]
起工から3年半後の2017年5月16日に進水しました。
[ロシア海軍の為の新世代偵察艦イワン・フルスはサンクトペテルブルクで進水した]
「イワン・フルス」は2017年5月末から造船所の岸壁で係留試験を開始し、2018年2月7日に工場航行試験へと出発しました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは洋上試験を開始した]
それから2ヶ月以上経った4月20日の時点で、工場航行試験は80パーセントが完了していました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスはバルト海で洋上試験を行なっている]
「イワン・フルス」は4月27日までにサンクトペテルブルクの『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは工場航行試験を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]
その後、5月中旬から最終試験となる国家受領試験が始まり、6月18日までに完了しました。
[ロシア海軍の最新偵察艦イワン・フルスは全ての試験を完了した]
そして6月25日、「イワン・フルス」は、『北方造船所』で正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典を開催し、ロシア海軍へ就役しました。
[プロジェクト18280偵察艦の2番艦イワン・フルスはロシア海軍へ就役した]
「イワン・フルス」は、2017年4月27日にトルコ沖で民間船と衝突して沈没した偵察艦「リマン」の代わりとして、黒海艦隊へ編入されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦リマンはイスタンブール沖で民間船と衝突し沈没した]
「イワン・フルス」は就役後も暫くはバルト海に留まっていましたが、2018年12月末に黒海艦隊基地セヴァストーポリへ回航されました。

2019年初頭からは、黒海へ進入するアメリカ海軍の軍艦の監視任務に就きました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスと哨戒艦ワシーリー・ブイコフは黒海へ進入したNATOのフリゲートを監視する]
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦オレホヴォ・ズエヴォと偵察艦イワン・フルスは黒海へ進入したアメリカ海軍のミサイル駆逐艦ドナルド・クックを監視する]
その後も黒海でのみ活動していた「イワン・フルス」でしたが、2019年11月28日にセヴァストーポリを出航し、11月30日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭偵察艦イワン・フルスは地中海へ入った]
その後、「イワン・フルス」はスエズ運河を通過して紅海へ入り、アラビア海へ進出しました。
2020年1月9日、アラビア海で行動中の「イワン・フルス」は、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦「ファラガット」と異常接近しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスはアラビア海でアメリカ海軍駆逐艦と異常接近した]
その後もインド洋や地中海でアメリカやNATOの軍艦を監視していたようですが、4月21日には黒海へ入り、4月30日にセヴァストーポリへ帰投しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスはセヴァストーポリへ帰投した]
2020年7月26日の『ロシア海軍の日』にはセヴァストーポリの観艦式へ参加しました。

その後の動向は明らかにされていませんが、度々黒海へ出航していたようです。
おそらくは、黒海で行動するNATO軍の艦艇を監視していたのでしょう。
2020年10月19日

2020年11月16日

2020年11月19日

2021年1月初頭から浮きドックへ入渠し、2月下旬までに出渠しました。


2021年3月30日、ボスポラス海峡を南下し、その後にダーダネルス海峡を通過して地中海へ入りました。

[ロシア海軍黒海艦隊の偵察艦イワン・フルスは地中海へ向かった]
2021年4月10日には紅海沿岸のポートスーダンへ寄港しました。

【『Asian OSINT』の2021年4月11日のツイート】
2021年8月30日にボスポラス海峡を北上し、その後セヴァストーポリへ帰投しました。

以後は黒海で行動しています。

2023年5月24日、ボスポラス海峡の北東140キロメートルの海域で行動していた「イワン・フルス」は、ウクライナ軍の3隻の小型無人艇の攻撃を受けましたが、撃退に成功しました。
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