ロシア海軍太平洋艦隊向けの第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」はコルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」の支援を受けピョートル大帝湾で多機能レーダーの試験を実施した

『世界兵器貿易分析センター』より
2023年5月25日14時50分配信
【太平洋艦隊のコルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」はコルベット「リェーズキー」の工場航行試験実施を支援する】
世界兵器貿易分析センター、5月25日

太平洋艦隊のコルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、太平洋艦隊の為に建造されたコルベット「リェーズキー」のピョートル大帝湾での多機能電波位置測定(レーダー)複合体の点検の実施を支援した。
海上への出航中、コルベット「リェーズキー」の試運転チームは乗組員と共に、艦載電波位置測定(レーダー)複合体の試験を成功裏に実施した。
コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」との訓練への取り組みを開始する前日、コルベット「リェーズキー」の乗組員は多機能電波位置測定複合体の調整、更には構造物の較正を仕上げた。
更に、戦闘訓練海上射爆場の1つで、コルベット「リェーズキー」の乗組員は、練習砲射撃を実行する汎用砲装置A-190の強度試験を実施した。
これらに加え、試運転チームは、水中音響ステーション(ソナー)「ミノタヴル-M」及び水中音響複合体「ザーリャ-2」の試験を実施した。
以前、太平洋艦隊海上航空隊のKa-27PS及びKa-27PLの乗員は、ピョートル大帝湾でコルベットの甲板試験を実施し、その間に電波技術兵装、通信システム及び航空管制システムを点検する為に数回の艦の上空飛行を行なった。
[参照]
コルベット「リェーズキー」は、プロジェクト20380多目的警備艦(コルベット)シリーズの4隻目である。
それは『アムール造船工場』で2016年に起工された。
2021年10月末、『アムール造船工場』の試運転基盤での艤装と追加装備の為、輸送ドック「ゼーヤ」でウラジオストクへ送り届けられたと東方軍管区広報サービスは発表した。
ロシア太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベットの4隻目「リェーズキー」は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市の『アムール造船工場』で2016年7月1日に起工されました。



[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"はコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で起工された]
「リェーズキー」は、「激しい」「強烈な」といった意味の形容詞です。
5年後の2021年7月1日に造船台から出渠しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4の新型コルベット"リェーズキー"は造船台を出た]
『アムール造船工場』では、コルベットの出渠(進水)式典でシャンパンを割る役目を担う「コルベットの花嫁」を同社の女性職員から選定していますが、「リェーズキー」の「花嫁」には、工場のコルベット試運転チームの一員であるクセニア・ザヴゴロドネワが選ばれました。


輸送浮きドックへ載せられた「リェーズキー」は、最終艤装と試験の為、10月6日にウラジオストクへ出発しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月6日9時20分配信
【コルベット「リェーズキー」は試験の為にウラジオストクへ向かった】
10月下旬にウラジオストクへ到着し、同月末にドックから出渠しました。


2021年11月上旬、ウラジオストクの『アムール造船工場』艤装岸壁で「リェーズキー」の係留試験が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"の係留試験が始まった]
当初、係留試験は造船所の技術者だけで行なわれていましたが、12月初頭には乗組員が艦内へ居住し、係留試験へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"へ乗組員が居住した]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"乗組員は係留試験へ参加する]
「リェーズキー」の最初の洋上試験~工場航行試験は2022年1月の開始が予定されていましたが実現せず、出航前の消磁作業が始まったのは4月上旬になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット"リェーズキー"は2022年1月に洋上試験を開始する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は洋上試験開始前の消磁作業を行なっている]
4月13日、「リェーズキー」は洋上試験の最初の段階~工場航行試験を開始する為にウラジオストクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は日本海で洋上試験を開始した]
その後も工場航行試験は続けられました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は日本海で洋上試験を続けている]
12月中旬には兵装の射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」はピョートル大帝湾で砲撃試験を実施した]
12月25日から最終洋上試験となる国家試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は日本海で最終洋上試験(国家試験)を開始した]
2023年1月27日には艦載ヘリコプターの発着試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」はピョートル大帝湾で艦載ヘリコプターの発着艦試験を実施した]
1月31日までに対潜/対魚雷複合体「パケート-NK」の発射試験を完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」はピョートル大帝湾で対潜/対魚雷複合体「パケート-NK」の発射試験を完了した]
5月17日にも艦載ヘリコプターの発着試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの第4のプロジェクト20380コルベット「リェーズキー」は再びピョートル大帝湾でヘリコプターの発着艦試験を実施した]
5月25日には同型艦「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」(339、2020年12月25日就役)が協力してピョートル大帝湾で多機能レーダー「ザスロン」の試験を行ないました。
「ザスロン」は、太平洋艦隊向けの20380コルベットの3隻目「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」から装備されており(1隻目と2隻目は「フルケ-2」)、この為に同艦が同じレーダーを装備する「リェーズキー」の試験に協力したようです。
国家試験が終われば、ロシア海軍への引き渡しの準備が整います。
「リェーズキー」のロシア海軍への引き渡しは、2023年7月末に予定されています。
[最新鋭コルベット「リェーズキー」は2023年7月末にロシア海軍太平洋艦隊へ就役する]
7月30日が『ロシア海軍の日』なので、その少し前頃になるようです。
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