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ロシア海軍太平洋艦隊向けの第5のプロジェクト06363潜水艦モジャイスクは2023年8月にバルト海で洋上試験を開始する

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『タス通信』より
2023年7月6日9時45分配信
【潜水艦「モジャイスク」は8月にバルト艦隊射爆場での試験へ向かう】
モスクワ、7月6日/タス通信

太平洋艦隊の為に『アドミラルティ造船所』で建造されているプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦「モジャイスク」は、2023年8月にバルト艦隊の海上射爆場での航行試験へ向かう。
『タス通信』は海軍分野の情報筋より伝えられた。

「8月初頭に係留岸壁での艤装作業が完了した後、モジャイスクはサイクル航行試験を実施する為にバルト艦隊の射爆場へ向かいます。
年末までに艦は海軍への引き渡しを計画しております」

対談者は話した。

彼によると、2024年初頭に「モジャイスク」バルト海射爆場で戦闘訓練任務への取り組みに着手し、夏に北極圏を横断して太平洋艦隊へ移動する。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

4月27日、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は、サンクトペテルブルクでの潜水艦「モジャイスク」の進水式で、プロジェクトは「大いなる近代化の余力」を持っている為、このタイプのディーゼルエレクトリック潜水艦の建造は続くと述べた。

[潜水艦について]
「モジャイスク」
は、プロジェクト636.3シリーズの第5の潜水艦であり、太平洋艦隊の為に『アドミラルティ造船所』で建造された。
更にシリーズには、潜水艦「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」、「ヴォルホフ」、「マガダン」、「ウファ」が有る。
「モジャイスク」の起工は2021年8月に行われた。

近代化されたプロジェクト636.3は、海洋工学中央設計局『ルビーン』で主任設計者イーゴリ・モルチャノフ率いるチームにより開発された。
潜水艦の建造は、サンクトペテルブルク造船企業『アドミラルティ造船所』で行われている。
プロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦は、敵の水上艦船、潜水艦の破壊、哨戒、巡視、偵察、近海ゾーンでの交通線の保護の為に意図されている。

プロジェクト636.3「ワルシャワンカ」潜水艦は、第3世代大型ディーゼルエレクトリック潜水艦に属しており、世界で最も低騒音の潜水艦の1つと見られている。
潜水艦の全長は74メートル、最大排水量は3900トンを超える。
強度船体は潜水艦へ240メートルの作業潜航深度と300メートルの最大潜航深度を保障する。
航行距離は7500海里である。
潜水艦の主要兵装はミサイル複合体「カリブル-PL」である。



ロシア輸出用潜水艦プロジェクト636シリーズのロシア海軍向け最新改良型であるプロジェクト06363潜水艦は、先ず黒海艦隊向けに6隻が建造され、2014年~2016年に就役しました。
[プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)]

その後、太平洋艦隊向けにも6隻のプロジェクト06363潜水艦を建造する事になり、2016年9月7日に契約が締結されました。
[サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所はロシア海軍太平洋艦隊の為の6隻のプロジェクト06363潜水艦の建造契約を締結した]

1番艦B-274「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」は、サンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で2017年7月28日に起工され、2019年3月28日に進水し、同年11月25日にロシア海軍へ就役しました。
2021年11月末にウラジオストクへ到着し、以後は日本海で行動しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦ペトロパヴロフスク・カムチャツキーは距離1000km以上の地上目標へ日本海から巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

2番艦B-603「ヴォルホフ」は、『アドミラルティ造船所』で2017年7月28日に起工され、2019年12月26日に進水し、2020年10月24日に就役しました。
2021年11月末にウラジオストクへ到着し、以後は日本海で行動しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト06363潜水艦ヴォルホフは日本海から地上目標へ巡航ミサイル「カリブル」を発射した]

3番艦B-602「マガダン」は2019年11月1日に起工され、2021年3月26日に進水し、2021年10月12日に就役しました。
2021年10月初頭にウラジオストクへ到着し、以後は日本海で行動しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新潜水艦マガダンはピョートル大帝湾で潜航訓練を実施した]

4番艦B-588「ウファ」は2019年11月1日に起工され、2022年3月31日に進水し、2022年11月16日に就役しました。
就役後はバルト海で訓練を続けており、2023年中にウラジオストクへ回航されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新鋭潜水艦ウファは2023年秋に極東へ回航される]

5番艦「モジャイスク」は、6番艦「ヤクーツク」と共に2021年8月23日に起工されました。
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[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]

「モジャイスク」は2023年4月27日に進水しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊向けの第5のプロジェクト06363潜水艦モジャイスクはサンクトペテルブルクで進水した]

進水後は造船所の岸壁で最終艤装が行なわれています。

2023年5月1日の「モジャイスク」(奥)
手前はプロジェクト677潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」
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「モジャイスク」は2023年8月からバルト海で洋上試験(工場航行試験と国家試験)を行ないます。

「モジャイスク」ロシア海軍への引き渡しは2023年末に予定されています。
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