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ボレイ級原潜乗員は船室に不満を持つ

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『イズベスチヤ』より
2013年5月14日0時01分配信
【海軍将兵は「ボレイ」の改造を求める】

潜水艦乗員にはテーブルすら存在しない窮屈な船室しか配置されていない。
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(ロシア)海軍総司令部は、2013年1月に戦略艦隊へ軍備採用された最新原子力潜水艦プロジェクト955「ボレイ」の船室レイアウト変更の提案を準備している。
(ロシア海軍)総司令部の情報提供者が『イズベスチヤ』へ話した所によると、最初の「ボレイ」-原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」「アレクサンドル・ネフスキー」の航海試験に参加した乗員メンバーの評価と希望をベースにした提案が作成される。

情報提供者によると、新型機器試験後の海軍将兵の慣習である個人的評価の記載において、原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」「アレクサンドル・ネフスキー」の士官は、狭い船室と、テーブルの代わりとしてベッドの間にサイドボードと洗面台が配置されている事に対する不満を表明した。

「船室には、書類を書く為のテーブルが必要です。
ユーリー・ドルゴルーキーには、そのようなものは何も無く、代わりにベッドのサイドボードが有ります。
アレクサンドル・ネフスキーの仲間は、寝台の間に洗浄の為の洗面台が設置されています。
士官は、書類仕事の為に、それ(洗面台)をベニヤ板で塞ぐ必要が有りました」

対談者は当紙へ話した。

喫煙の為の部屋にも苦情が出ている。
このエリアは2平方メートルのみである。
そこでは潜水艦乗員は直立して喫煙するものと見られ、煙に対処できない。

一部の士官は、ロシアの潜水艦に電球会社「フィリップス」の家庭用照明が使用されている事に驚きを表明した。
彼らによると、ロシア戦略核戦力を構成する艦は、ロシア製の電球で照らされるべきである。

同時に、経験豊富な潜水艦乗員は、「ボレイ」の船体全体と居住スペースは、特に船体後部において、他のプロジェクト潜水艦よりも窮屈である事を指摘した。

しかし、肯定的な評価も存在する。
まず最初に潜水艦乗員は、電子トイレの利便性を高く評価している。

「家庭用機器の操作の大半はリモート電子機器により行なわれます。
例えば、古い潜水艦の洗浄トイレ(下水で艦外へ放出)の全体的な経緯は、シリンダー、バルブ、そして明確に算定された算法活動です。
しかしそこでは、全てがボタン1つを押す事で解決されます」

対談者は『イズベスチヤ』へ続けて話した。

最新原子力艦のもう一つの利点は、直接に司令塔へ接続された救助室の存在である。
事故の場合、司令要員と乗組員は他の区画へ移る事なく潜水艦から出られる。

士官は、この配置が生存の可能性を著しく増加させ、乗組員の士気を高める事を指摘した。

特に海軍将兵は、「ボレイ」の全てのベッドに整形外科用マットレスの機能が在る事を好んでいる。

「セヴマシュ」は、もしも海軍総司令部の決定が下されたら船室を改造する準備は出来ていると『イズベスチヤ』へ説明した。

「プロジェクトの変更は、実用的なポイントが先行しなければなりません。
それ故に洗面台を移動するには、パイプの水の出入り口を延長する必要が有り、システムの適切な再設計が必要となります。
例えば、より強力なポンプが必要となりますが、発注してから半年間は待たなければなりません」

対談者は当紙へ話した。

彼は、そのような作業は更なる費用が掛かり、国防省が負担する必要が有ると付け加えた。

「海軍将兵の希望を実現する為の最も経済的な方法は、既存の潜水艦の改造では無く、まだ建造されていないプロジェクト艦を変更する事ですね」
「セヴマシュ」
代理人は説明した。

ウラジーミル・ザハロフ退役少将は『イズベスチヤ』へ表明した。
潜水艦にとって最も重要なのは、全ての設備が任務の遂行に応じて装備される事である。

「ボレイは、快適さにおいて、常に高い居住条件が求められているブリテンやアメリカの潜水艦に近付いています。
我々の古いプロジェクトのディーゼル潜水艦と原子力潜水艦でさえ、全ての乗組員が眠る為のベッドを有しておらず、交代で寝ていました。
1人目が当直に立ち、2人目は寝ていたのです。
ボレイは、各乗組員ごとの独立した船室があり、そこには寝台と棚が有ります」
ザハロフ
は話した。

更に彼は、将兵は快適さと居住性において、それぞれが異なる条件を有しており、全員が満足する事はないと指摘した。

「誰にとっても、おそらく重要なのは船室のテーブルであり、誰にとっても洗面台は良いでしょう。
1人は静かにトイレを共同で使用し、そしてもう1人は、逆に、その船室の設備を好みます」

退役少将は説明した。

最初の第4世代プロジェクト955「ボレイ」潜水艦-「ユーリー・ドルゴルーキー」は1996年に起工され、2012年末に海軍へ納入された。
現在、同プロジェクトの2隻の原子力潜水艦-「アレクサンドル・ネフスキー」「ウラジーミル・モノマーフ」が進水あるいは完成している。
「ボレイ」は、戦略核戦力の海洋部門の基礎となるべきである。


[新世代戦略原潜ボレイ級(旧ブログ)]
[新世代戦略原潜ボレイ級]

戦略原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」は、2012年12月29日に受領証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。

2013年1月10日、聖アンドレイ旗(ロシア海軍旗)を初掲揚し、名実ともにロシア連邦海軍へ就役しました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]


2014年初頭から戦略任務に就く為の準備が行なわれています。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは2014年初頭から戦闘任務に就く]

「ボレイ」級2番艦「アレクサンドル・ネフスキー」も2013年末までにロシア海軍へ納入される予定です。
[ボレイ級戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーは2013年中にロシア海軍へ引き渡される]


今回の記事によれば、この2隻の船室について乗組員の一部は不満を持っているとの事です。
記事を読む限り、不満を持っているのは士官のようです。

これに対し、記事後半に登場するウラジーミル・ザハロフ氏は、人にはそれぞれ個人的な好みが有るので、全ての乗組員が満足できるような居住環境など無いと述べています。
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