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多用途原潜セヴェロドヴィンスクは航海試験へ出発した

『イズベスチヤ』より
2013年6月3日1時01分配信
【「セヴェロドヴィンスク」は試験を受ける】

昨日、最新原子力潜水艦プロジェクト885「ヤーセン」は国家受領試験に出発した。
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最新のプロジェクト885「ヤーセン」 原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は国家受領試験を開始した。
5月27日午後9時頃、潜水艦セヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」を去り、白海へ出航した。
この2年間において、これは潜水艦の第4の試験である。

ロシア最初のプロジェクト「ヤーセン」潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は、その性能と兵装においてアメリカ及びブリテン最新鋭潜水艦「シーウルフ」「アスチュート」に劣る事は無い。
海軍は、2011年以降、軍備採用を試みている。
しかし、軍当局者が『イズベスチヤ』へ話したように、現在、海軍総司令部は、潜水艦の今年末までの海軍の編制への加入を確信している。

「第1段階では、全てのユニット、特に、推進軸、原子炉、バラストタンク等が全てのモードで動作が点検されます。
それは、数週間掛かるかもしれません。
長期にわたるセヴェロドヴィンスクの問題点の1つは、原子力潜水艦のスクリューを回転させる推進軸に在ります。
摩擦により、ベアリングが変形してしまったが故の。
今、この問題は解決されます」

海軍総司令部の代理人は匿名を条件に、こう説明した。

彼によると、第2段階で潜水艦は工場へ戻り、発見された不具合を取り除いた後にミサイルと魚雷を搭載し、潜水艦は戦闘射撃へ出発する。
水中音響システム及び艦載電子システムの動作が軍により点検され、潜水艦の騒音レベルが測定される。
航海試験中に重要な問題点が見つからなかった場合、潜水艦は今年末までに海軍へ引き渡される予定である。

作業に参加する防衛産業企業体の代理人が『イズベスチヤ』へ話した所によれば、試験実施の為、海軍総司令部及び工場「セヴマシュ」の代表者による特別委員会が設置された。

「委員会は、各段階の結果を評価します。
もしも何かが上手くいかなかった場合、セヴェロドヴィンスクは再び作業を始めるでしょう」

対談者は『イズベスチヤ』へ説明した。

これは、「セヴェロドヴィンスク」の為の第4の点検となる。
2011年秋、潜水艦は技術的問題が故に試験から工場へ戻った。
次の試みは、2012年の夏に行なわれた。
しかし、この時点で潜水艦は準備が出来ていなかった。
特に、原子炉は最大出力を出せなかった。
最初の「ヤーセン」の推進軸が非常に騒々しかったが故に。
同年秋に問題点を取り除いた後、潜水艦は再び試験に出発したが、再び不具合が見つかったが故に海軍へ受領されなかった。

「セヴマシュ」工場は、試験が開始された事を認めたが、機密を理由にして、それ以上のコメントを断った。

軍事史家でロシア/ソ連海軍の歴史に関する著書を記しているドミトリー・ボルテンコフ氏は『イズベスチヤ』へ説明した。
第4世代原子力水中巡洋艦「セヴェロドヴィンスク」国家受領試験への出発は、ロシアアメリカ合衆国及びブリテン海軍に対する遅れを取り戻すための始まりとなる。

「セヴェロドヴィンスクは1993年に起工されました。
その建造は、1990年代には国家の荒廃とソヴィエト連邦解体後の技術的損失に関連して停滞し、建造は長期に渡り、試験も長期に渡りました。
しかしながら、アメリカとブリテンも、第4世代潜水艦のトップ艦は長期にわたる試験を経験しております。
これは何ら不思議な事ではありません。
現代の原子力水中巡洋艦はハイテク兵器であり、前世紀の(戦艦)ドレッドノートに匹敵するものですから」
ボルテンコフ
氏は話した。

更に専門家は、同シリーズの次の潜水艦は、もっと早く建造され、ロシア海軍へ納入される事は確実であると指摘した。


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[新世代多用途原潜ヤーセン級(旧ブログ)]
[新世代多用途原潜ヤーセン級]

1993年12月21日に起工され、2010年6月15日に進水した多用途原潜K-329「セヴェロドヴィンスク」は、2011年9月12日から海洋試験(工場航海試験)を開始しました。

2012年にも引き続き海洋試験は実施されましたが、結局、2012年中のロシア海軍への引き渡しは実現できませんでした。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクは2013年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍は2012年に2隻の原潜と3隻の水上戦闘艦を受領できなかった]

2012年の海洋試験では、有翼ミサイル「カリブル」の発射試験が複数回実施されました。

2012年11月7日:潜航状態で対艦攻撃型の発射に成功。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対艦ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月26日:浮上状態で地上攻撃型の発射に成功。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクはカリブル対地ミサイルの発射試験に成功した]

2012年11月28日:潜航状態で対地攻撃型の発射に成功。
[多用途原潜セヴェロドヴィンスクは3回連続でカリブル有翼ミサイルの発射試験に成功した]


多用途原潜「セヴェロドヴィンスク」の動向に関する『イズベスチヤ』の報道。
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスクの最終試験が始まった]
[新世代多用途原潜セヴェロドヴィンスク、国家試験に不合格?]
[超音速対艦ミサイル「オーニクス」は2013年8月末に原潜セヴェロドヴィンスクから発射試験を行なう]

今回の記事は、これらの過去記事の延長線上にあるものです。


公式発表は一切ありませんが、原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」が5月末に出港した事は確かです。
これは現地からの情報で確認できます。

アントン・ブリノフ氏のブログより
2013年6月2日22時54分配信
【原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」は航海試験の為に海洋へ去った】
出港する「セヴェロドヴィンスク」の写真(アントン・ブリノフ氏撮影)が掲載されています。

建造元の「セヴマシュ」も、今年(2013年)に航海試験を実施する3隻の原子力潜水艦の中で「セヴェロドヴィンスク」が最初になると述べています。
[セヴェロドヴィンスク造船所は2013年夏に3隻の原潜の海洋試験を行なう]


ただ、今回の試験は原潜の各種機器のチェックの為のものであり、ミサイルや魚雷などの発射試験が目的ではないようです。
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